南武線武蔵溝ノ口駅北口(ザ・タワー&パークス田園都市溝の口)

ザ・タワー&パークス田園都市溝の口

二子玉川駅に戻り、再び田園都市線に乗る。
多摩川を越え、対岸の神奈川県へ。溝の口駅で降りる。
実は、学生の頃、一時的だが、通学路だったので、ちょっと昔の溝の口駅はよく知っている。
知っているのでなおさらなのだが、本当にちょっと昔の風景がまったく残っていない、そう実感してしまうのだ。
その頃の溝の口は、川崎を感じさせる南武線沿線の下町だったと思う。
もっとも、それだけではない。そこに山の手の田園都市に向かう、その名前の通りなのだが、東急の田園都市線が横切る。
山の手田園都市と京浜工業地帯の下町がせめぎあう実に奇妙な雰囲気だったが。
そして今はどうなったのか。
山の手田園都市の圧勝だったわけだ。(別に勝ち負けを競っていたわけではないだろうが)
きれいな商業ビルやマンションが建ち並び、どこかの郊外の新興商業地帯と区別がつかない。
しかし、今日は、もはや消えてなくなっている昔日の思い出を探しに来たわけではなく、最近竣工したザ・タワー&パークス田園都市溝の口(L棟、R棟からなるツインビルになっている)を見に来たのだ。
だがどうも見当たらない。すぐに西側は台地になっていて山の手なので高層住宅は建たないだろうし。商業地にもない。ちょっとあちこちと探してしまうが。
ふと、そういえば川崎よりに工場がいくつかあったことを思い出してすぐに向かう。
はたしてかながわサイエンスパークの隣にザ・タワー&パークス田園都市溝の口があった。
このかながわサイエンスパークというのは、バブルの頃に竣工しているのだが、一帯は、いくつかある日本のシリコンバレーと言われる場所だ。
工場といっても京浜工業地帯にあるような工場ではないわけだ。
やはり自分の中にある思い出としての溝の口はもはやなくなっている。
(2007年4月記)