五反田駅東口(ル・サンク大崎シティタワー)

ル・サンク大崎シティタワー

目黒川を渡り南側へ。
大崎一丁目のビル群が並んでいる。
最も北西側、五反田寄りには、ル・サンク大崎シティタワー(工事中はこちら)がある。
同じビル群の中では東側にアートヴィレッジ大崎ビュータワーがあり、さらにその東側にアートヴィレッジ大崎セントラルタワーがある。
ペデストリアンデッキでひょっとしたら、大崎駅からアートヴィレッジ大崎ビュータワーまでは直結しているかもしれない。
ほんの数年前までは、目黒川と山手線に挟まれた細長い一帯は、工場地帯だったのだ。
その頃は、機械と油とすすけた汚れに覆われた一帯。
しかし、常に何かを生み出している力強い存在感に満ちていたような気もする。
昭和の時代までの近代工業国家の未来へのエネルギーを感じさせてくれたのだ。
今はすっきりときれいになり、洗練されていていて、まるでどこかの高級ホテルかリゾート地のようでさえある。
こちらは、もはや、生産ではなく消費の世界だ。
工場の騒音も汚れも煤煙ももはや過去の話。
ようやく辿り着いた未来の世界なのかもしれない。
バブルの時代はその未来が、あまねく行き渡るような幻想があった。
誰でもその未来に参加できるという、なんの根拠もない自信に満ち溢れていた。
やっと辿り着いた、という安堵の雰囲気もあった。
でも、それはすべて夢だったようだ。錯覚だったようだ。
現在は、勝ち組、負け組、という格差社会になっている。
未来への夢は、市場の競争を煽る餌でしかなくなったような気もする。
だから、未来そのものまでもなくなってしまったのだろうか。
今でも、あの頃の未来が夢ではなかった、と思いたいけど、それこそ夢だろうなあ。
(2007年5月記)