外房線本千葉駅北口(千葉県庁本庁舎)

千葉県庁本庁舎

鎌取駅に戻り、JR外房線に乗る。
電車がぜんぜん来ない。通勤路線という感じじゃないなあ。
本千葉駅で下車する。
本千葉駅という駅名なのだが、賑やかではない。人影もまばらだ。
まずは北西方向に向かい都川という川を渡る。
そして、東へ曲るとまた川がある。その川を渡って東へ。
少し歩くと南側、さっき渡った都川の南側に千葉県庁本庁舎がある。
これなら別に都川を渡る必要はなかったのだが。
ただ、こうして曲りくねった川や緑の多い静かな風景を見ていると歴史的な伝統を感じてしまう。川の名前も都川、ということだし。
千葉県庁の東側には、千葉県の名前の由来となった千葉氏の館もあったらしい。
もっとも、その千葉氏が活躍したのは、平安時代末から戦国時代前、ぐらいだろうか。
(千葉氏、という名前ももちろん、地名からだろうが、ではどうして、一帯が千葉、という地名かは、まったくわからない)
それが、どうして県の名前になったのだろうか。
もともと、千葉県は、最初は、総国、という一つの国だったらしい。それが、奈良時代よりも前に上総国下総国安房国、と三つに分けられた。
千葉氏の登場によって、再び、統一したかどうかは、わからないが、千葉氏の衰退により、再び、分裂してしまったのは確かなようだ。
その後、今の千葉市が、中心である必要がなくなったので、忘れ去られていく。
明治時代になって、上総国下総国安房国が再び、統合されたとき、県名に、千葉氏の名前を使ったのは、このような歴史があるからだろう。
県庁所在地が、千葉氏の本拠地だった、ということもそのためだろうか。
どうりで、この一帯は、歴史を感じさせる静かな雰囲気なはずだ。
そして、バブルがやってきたとき、千葉市政令指定都市になる。
千葉県庁本庁舎も高層ビルになったのである。
千葉も地方都市から都心の郊外へと取り込まれていくのだ。
(2007年6月記)