南北線溜池山王駅(衆議院赤坂議員宿舎)

衆議院赤坂議員宿舎

さきほどのアークヒルズに向かって伸びる細い道に戻り、再び、南へ歩く。
少し歩くと、道路の東側に巨大な高層住宅の工事現場。そして、そのさらに東側に衆議院赤坂議員宿舎がある(工事中はこちら)。
北側には、赤坂溜池タワーもあり、一帯のビル群を形成しているのだろう。
工事現場のフェンスに沿って東側に歩いて行くと、日が暮れかかった、薄闇の果てに、眼前にぼうーっと衆議院赤坂議員宿舎のビルが浮かび上がってくる。
まったく、妙に奥まった場所にあるものだ。
こういう建物の性質上、おそらく、東側の外堀通り、南側の六本木通りなどの大通りからは、近付けないようになっているのだろう。
さらに、西側には、近接して巨大な高層住宅が建つだろうし、北側には、すでに赤坂溜池タワーも建っている。
大きな建物群に囲われたような感じだ。
眼下には、国会議事堂に霞ヶ関の官庁街。そして、皇居。
遠くには庶民の暮らし、それらを見下ろせる場所に建っている。
山の手一等地の高層マンション。
それが、衆議院赤坂議員宿舎、というわけか。
政治家というのも、ときに社会的な強者と相対しなければならない。そこで、同じ生活様式に慣れていなければならない、ということで、こういう暮らし方も必要なのかもしれない。
しかし、なんだか、その社会的な強者の仲間にでもなって、一緒になって、下界を見下ろしているような気もするけど。
同じ丘陵地から勝海舟は江戸の街を見て、その街が戦火に滅ぶのを防ぐために、西郷隆盛と会談する。
このような山の手一等地の高層マンションに暮らしている住人が、そんなことを間違っても、やってくれそうにないだろうな。
格差社会での負け組にならなくてよかったと思うぐらいだろうか。
(2007年8月記)