京浜東北線新橋駅東口(日本テレビタワー)

日本テレビタワー

川崎駅から京浜東北線で新橋駅へ。
東口に出る。
第一京浜を渡り、ゆりかもめの駅舎の下を歩いて少し東に歩くと、日本テレビタワーがある。
汐留シオサイトの代表的な高層ビルの一つだ。
麹町の一等地から使われなくなった貨物列車の車庫の跡地に移転してくるとなれば、やはりこのような巨大なビルということになるのだろうか。
この巨大なテレビ局の建物を見上げていると、テレビばかり見ていた昔の頃を思い出すなあ。
それも、見ていた番組を調べてみると、日本テレビが多いのだ。
傷だらけの天使俺たちの旅探偵物語。アニメでは、ルパン三世
みんな日本テレビだ。
懐かしいけど、今、見直している暇はない。あるいは、今、見たら幻滅するかもしれない。
今から振り返ってみると、あの頃、これらのテレビ作品から受けていた感覚は、おそらく、すでにできあがった、揺るぎない世界、安定した街並み、確固とした社会が、無限に広がっている、といったものだったような気がする。
そのような不動の社会の中で、主人公たちが、とまどい、悩み、そして、時にうまく立ち回り、出し抜き、あるいは、失敗したり、成功したりする。
例えば、探偵物語を見ていたときのことだ。
あの倉庫のような探偵事務所のまわりに広がるであろう街並みの無限の大きさに陶然としてしまったことがある。
でも、このテレビの作り出した揺るぎない世界こそは、なんのことはない、山の手の一等地、麹町の揺るぎなさに他ならなかったのかもしれない。
そして、バブルが崩壊し、なりふりかまわず、その姿を現したのだ。
その姿こそが、この怪物のような巨大な建築物なのだろうか。
そんなことを考えていると、とても物悲しい気持ちになる。
なぜなら、今でもテレビを見ていたその当時がたまらなく懐かしいからだ。
(2007年9月記)