山手線新宿駅西口(新宿野村ビル)

新宿野村ビル

西武新宿線西武新宿駅へ。
青梅街道に出て、山手線、中央線などのガード下をくぐり、西へ歩いていく。
やがて、青梅街道の南側に西新宿高層ビル街が現れてくる。
その中で、青梅街道に面して新宿野村ビルがある。
竣工は、高度成長期が終わって、安定期に入った頃だ。
その他の西新宿高層ビル街の主だった巨大な高層ビルの多くもだいたい同じ頃にできている。
そういった意味では、西新宿高層ビル街は、まさに高度成長の賜物なのかもしれない。
また、当時、高層ビルはすでに、あちこちに建っていたが、ビル群は西新宿高層ビル街にしかなかった。
ビル群になったのは、たまたま、淀橋浄水場跡地、という広大な更地があった、ということもあるだろうが。
だが、やはり、これだけ、まとまって、巨大な建造物が登場した、ということは、時代を象徴していたと思う。
例えば、特撮のウルトラマンシリーズやゴジラシリーズの区切りは、この西新宿高層ビル街の登場と同じになっている。
それまでは、街は一方的に、怪物に破壊されるものでしかなかったが、その怪物よりもはるかに巨大な建造物が出てきてしまえば、怪物の存在意義はなくなってしまう。
後年、たしかに新しいゴジラシリーズで、西新宿高層ビル街が登場したりしたが、やっぱり、高層ビルに比べて、なんとゴジラは小さいんだろうか。
代わりに出てきたのは、何だろうか。
傷だらけの天使」には、よく誕生したばかりの西新宿高層ビル街が登場していたのを覚えている。
このドラマに出てくる、あまりに巨大な西新宿高層ビル街を見ていると、街というものは、作ったり、何かによって破壊されるものではなく、既にそこにあるもの、に変貌したのかもしれないと感じてしまう。
(2007年9月記)