山手線東京駅東口(グラントウキョウ サウスタワー)

グラントウキョウ サウスタワー

外堀通りに出て、北へ歩いていく。
高速道路の高架をくぐり、ちょっと歩くと、鍛冶橋交差点。
この交差点の北西側は、もう東京駅八重洲口となる。
実は、有楽町駅と東京駅は目と鼻の先なのだ。
鍛冶橋交差点の近くにパシフィックセンチュリープレイスがあり、その北側には、新しくできたグラントウキョウ サウスタワーがある(開業は、2007年11月)。
東京駅からは、南側に寄り過ぎていて、八重洲、というより、東京駅西側の丸の内が東側にはみ出してきたようにしか見えない。
北側には、ノースタワーがあって、ツインビル、ということになっているのだが、こちらは、はるかに北側に寄っている。こっちはこっちで、大手町がはみ出したように見えるのだ。
もっとも東京駅の正面に高層ビルを建てるわけにもいかないだろうなあ。
話が変わるが、たしか、グラントウキョウ サウスタワーが建った場所には、昔、国鉄労働会館、というのがあったらしい。
JRが国鉄だったころの労働組合の建物なのだろう。
高度成長期以前は、労働組合は、存在感があったし、ストライキで鉄道が動かないなんてよくあったのだが。
今では、そんなことがあったなんて、まったく信じられない。
その後の、安定期、バブル、国鉄民営化、そんな風に世の中が浮かれているうちに、すっかり労働組合は、雲散霧消してしまったのだろうか。(組織としては今でもあるんだろうけど)
そして、浮かれた世の中、バブルは崩壊し、今は格差社会
その格差社会には、勝ち組と負け組、という区分けしかないのだ。
だからだろうか、格差社会の中では、負け組になった者が、ストライキの権利の正当性を主張するなんて考えられない。それ以前に、そんな力なんて、もう残っていない。
それで結局、国鉄労働会館は、その後どうなったのだろう。
なんと、国鉄労働会館は、ストライキによる損害賠償と引き替えに労働組合の手から離れてしまう。
今、その場所には、巨大な高層ビルが聳え立っているのだ。
(2007年9月記)