京葉線海浜幕張駅南口(ワールドビジネスガーデン)

ワールドビジネスガーデン

交差点を曲って南北に伸びる国際大通りを南へ歩く。
海浜幕張駅南口に出て、さらに南へ。
国際大通りの西側、幕張メッセの通りを挟んで北側にワールドビジネスガーデンがある。マリブイースト、マリブウエストの2棟からなるツインの高層オフィスビルだ。
また、この高層ビルもバブルの頃の竣工である。
幕張新都心、この巨大な人工都市は、このようにして、バブルの終わり頃には、ほぼ完成した。
ホテルもあり、野球場もあり、そして、巨大なイベント会場も備えている。
さらに、西側にビル群は拡大する予定でもあったのだが。
あるいは、モノレールも通るかもしれなかったのだが。
その頃、巨大なイベント会場、幕張メッセでは、大恐竜博。
かつて、地球を覆い尽くし、栄華を極めた恐竜たち。
その恐竜たちは、ある時、一瞬にして絶滅してしまう。
その儚さに誰もが興味を惹かれ、心動かされる。
たけき者もつひには滅びぬ ひとへに風の前の塵に同じ
そんな無常な地球の歴史があったんだ、としんみりしてしまうのだ。
もっとも、実は、そんな同情も、すっかり豊かになった世の中、確実に明るい未来を再認識する道具立てにすぎなかったのかもしれない。
しかし、その直後に日本も恐竜と同じ運命を辿るとは。
幕張新都心のビル群は、恐竜の残した巨大な化石と同じようなものなのかもしれない。
でも、恐竜は絶滅したのではなく、鳥に進化したのだ、という説が最近、有力になってきた。
そういえば、なんとなく、鳥の顔は、恐竜っぽいと思っていたんだ。
幕張の夢の跡、遺跡のはるか上空を、滅びたと思っていた、恐竜たちは、鳥になって、自由に飛んでいる。
それを見上げながら、どうやら、鳥にはなれそうもないなと、そんな気持ちになってしまうのだが。
(2007年10月記)