東西線茅場町駅(東京証券取引所)

東京証券取引所

高田馬場から東西線に乗る。
茅場町駅で降りる。
すっかり年も押し迫り、世の中は慌しい。
だが、都心の中心部は、逆にひっそりとしている。
なにか、1年が終わって、ほっとした安らぎの中にいるようだ。
交差点を北へ歩く。
日本橋川に架かる橋と首都高の高架の手前、道路の西側に東京証券取引所がある。
高層ビルになっている部分は、もっと西側になるようだ。
日本橋川東京証券取引所の建物の間の道路を西側に歩いてみる。
平日は、鉄火場なんだろうが、行ったことはないので、普段どれくらい賑わっているのかわからない。
だが、今は、まったく誰もいない。静かなものだ。
明治の初め頃から、株式取引所は、あるのだろうけど、この高層ビルは、バブルの頃に竣工している。
あの頃は、日本中が鉄火場状態だったので、釣られて東京証券取引所も高層ビルまで建ててしまったのだろうか。
さらに西側に歩いて行くと、川沿い、首都高のジャンクションで空を覆われた片隅に兜神社がある。
由来は、よくわからない。
江戸時代よりもはるか以前から、船着場などが一帯にあったようだ。
とすると、航海の安全や大漁の祈願、そういった関係で鎮座しているのかもしれない。
明治時代以降はわかりやすい。証券、金融関係だろう。
それにしても、最初、兜神社を訪れたときは、その小ささ、場所の窮屈さに驚いてしまったが。
証券取引、というものの、後ろめたさ、後ろ暗さ、ということを象徴しているのだろうか。
東京証券取引所の高層ビルを訪れた、ということで、来た道を戻ることにする。
相変わらず誰もいない。ひっそりと静まり返るビルの谷間。
証券街もつかの間の安らぎの中に一息ついているようだ。
なにもかもを飲み込んで1年は静かに暮れようとしている。
(2007年12月記)