都営新宿線浜町駅(東京アインスリバーサイドタワー)

東京アインスリバーサイドタワー

クレッセント東京VIEW TOWERの北側には、東京アインスリバーサイドタワーがある。
2棟とも壁のように平べったいのだが、微妙に建物のデザインが違う、というのも面白い。
また、2棟とも竣工した時期はほぼ同じだ。
こうして徐々に下町にも、高層住宅が建整され、整備されていくのだろうか。
時代の流れなのでしかたのないことだろうけど、その結果、昭和の街並みが消えていくのは、ちょっと寂しい。
などと過去に思いを馳せていると、ふと思い出したことがある。
たしか、これらの高層住宅の建つあたりは、松尾芭蕉が晩年を過ごした場所だったと思うのだ。(正確には、少し南側になる)
そして、新大橋が開通したと時なども、嬉しさのあまり、俳句まで作っている。
これで両国橋まで遠回りしなくて済むのだから、さぞ嬉しかったに違いない。
その10年後ぐらいには、北の方、両国で大事件が起こる。
赤穂浪士による討入りだ。
赤穂浪士たちは、討入り後、撤収し、今の品川近くの泉岳寺を目指すのだが、追撃されることを避けるためか、両国橋は渡らなかった。
東京アインスリバーサイドタワーの東側を南北に伸びる、一の橋通りを南へ南へと進んでいったのだ。
当時、まだあまり拓けていなかった新興住宅地にまぎれて、撤収しようと考えたのだろう。
そのままどんどん南へ進み、結局、永代橋隅田川を渡っている。
何百年も昔には、そんなこともあったのだ。
そのような場所に、今では、こうして高層住宅が建っている。
不思議な感じもする。
なんか、過ぎ去った時代のことばかり、思ってしまうなあ。
たぶん、年末だからだろうか。
そろそろ、新大橋を渡って帰るとしよう。
(2007年12月記)