埼京線浮間舟渡駅北口(アイタワー)

アイタワー

高田馬場から山手線で池袋へ。
正月、ということで出発が遅れてしまった。
もう、夕方近い。
街は、正月なのに、けっこう賑やかだなあ。
大昔は、正月、というと、本当にどこもお店は、閉まっていたものだが、バブルの頃ぐらいからだろうか、正月でも関係なく、開いているようになった。
そういうところに、なにか、時代の進歩を感じてしまったものだが。
池袋から埼京線へ。
さすがに郊外は、静かだ。
赤羽を過ぎ、浮間舟渡駅で降りる。
北口には、アイタワーがある。
バブルが崩壊した後、失われた10年の終わりごろに竣工している。
一帯は工場街だったのだが、バブルの頃、埼京線が開通し、工場跡地には、集合住宅が建つようになる。
その頃、建った高層住宅としては、近くの荒川沿いに都営浮間一丁目第3アパートがある。
やがて、バブルは崩壊。失われた10年
開発は、駅前などに集積化するようになるが、その頃にアイタワーが建っているのだ。
駅北口の間近には、広大な浮間公園が広がっている。
この高層住宅からは、公園の池と緑が一望のもと見渡すことができるだろう。
まるで避暑地にでも住んでいるような錯覚を覚えるのかもしれない。
ということで、アイタワーも見たし、帰ることにする。
夕暮れも近い。暗くなってきた駅前は、寒風吹きすさび寂しい限りだ。
もうじき、見上げれば、高層住宅にも暖かな明かりが灯りだすことだろう。
地上には、寒々しい寂しさ。天には暖かな明かり。なんだか格差社会を象徴しているような光景だな。
再び、埼京線に乗る。ちょっと寄り道で池袋方面とは逆の方へ。
北戸田駅で下車。ここにもアイタワーと同じような高層住宅の計画があるが、今は更地があるだけ。
あたりは、いよいよ暗くなり、寒さが身に凍みる。
いつか、高層住宅でも建つんだろうが、今のところはもう帰るしかないな。
(2008年1月記)