山手線日暮里駅東口(リーデンスタワー)

リーデンスタワー

通りを西へ歩き、再び、浜松町駅へ。
山手線に乗る。
上野を過ぎ、日暮里駅へ。
東京駅を過ぎると街並みの様子はだいぶ下町っぽくなっていくなあ。
日暮里駅の東口に出る。
相変わらず、駅前は広範囲で工事中。
だが、今回は、駅からは少し離れた場所に向かう。
山手線に沿って伸びる交通量の多い幅広な尾竹橋通りに出て、南東方向に歩く。
日暮里駅と鶯谷駅の中間ぐらいの地点、尾竹橋通りの北側にリーデンスタワーがある。
竣工は、バブル崩壊後にやってきた失われた10年の終わり頃だ。
たしか、高層住宅が建つ前は、同潤会鶯谷アパートという、昭和に入った頃に建てられたとても古い集合住宅があったらしい。
その当時としては、最新鋭の住居施設であり、建物だった、ということだ。
できた当初は、近代的ともてはやされたのだろう。
だが、その最新式の建造物も、月日は流れ、70年以上も経ってしまった。
そうなると、さすがに、老朽化し歴史的な遺物、あるいは廃墟のような建物になってしまうのだ。
そして、そういった場所は、高層住宅に建て替えられていく。
失われた10年の頃だが、都心集積化の先駆けだったのかもしれない。
またしても、最新鋭の高層住宅が誕生したわけだ。
でも、同じように70年も経てば、廃墟になってしまうことだろう。
時代は変わる。
70年後の未来は、どうなっているのか、今度はどんな建物が建つのか。
そんなことは、見ることはないので、想像しても仕方はないけど。
今は、ただ、目の前にある、新しくできた高層住宅を見上げて、70年前は、最新鋭だった建物が、時代の流れとともに、老朽化していき、ついには、なくなってしまった歴史に思いを巡らせるばかりなのかもしれない。
(2008年1月記)