京浜東北線蒲田駅東口(ニッセイアロマスクエア)

ニッセイアロマスクエア

キヤノンの工場の南側を東西に伸びる道路に出て、東に歩いていく。
途中、北東側に入っていく小道に入っていく。
商店がわずかにかたまるあたりに出ると、下丸子駅前だ。
ちょっと下町っぽい感じが残っている。
改札を通ってホームへ。
そういえば、たしか、改札を通ってしまうと、反対側のホームに行けなくなるのじゃなかったかな、と思い出したが遅かった。
前来たときも、ひっかかったような気もする。
たまにしか来ないから仕方ないけど。
駅員に申し出て、改札を出て、踏切を渡って、再び改札を通る。
こうしなければ、反対側のホームに行けないのだ。
東急多摩川線に乗り込み、蒲田駅へ。
工事中で立体迷路みたいになっている駅構内を通って、なんとか東口に出る。
駅前広場から大通りを南へ少し歩き、途中、細い道を東へ。
その細い道路の南側にニッセイアロマスクエアがある。
工場の跡地だったのだが、大正時代から昭和の初めにかけて、この場所には、松竹蒲田撮影所があった、ということだ。
映画産業の黎明期の一時期が、京浜工業地帯の町工場が集まっている中にあった、というのは興味深い。
その後、映画は、サイレント映画から音声の入る映画に転換し、大規模な産業になって、町工場地帯から大船へと巣立っていく。
しかし、大船の松竹大船撮影所は、バブル崩壊後の失われた10年の間に閉鎖。
同じ頃に松竹蒲田撮影所の跡地にあった工場もなくなっている。
なにか、大きな時代の終焉、あるいは時代の転換点だったのかもしれない。
そして、松竹蒲田撮影所のあった場所には、高層ビル、ニッセイアロマスクエアが建った、というわけだ。
(2008年1月記)