都営大江戸線六本木駅(富士フィルム西麻布ビル)

富士フィルム西麻布ビル

西麻布三井ビルディング パークウエストタワーの六本木通りを挟んで北側には、富士フィルム西麻布ビルがある。
竣工は、かなり古い。霞が関ビルと同じくらいで、最古参の高層ビルといえる。
高度成長期の後半、ということである。
その富士フィルム西麻布ビルのある場所から、骨董通りが、北西方向に分岐している。
もっとも、昔の地図を見ると、実は、骨董通りの方が六本木通りよりも古いようだ。
たしか、東京オリンピックの頃に、このあたりから、六本木通りが渋谷に向けて、西へまっすぐに伸びたのだ。
だから、逆に、この交差点から先の六本木通りの方が、分岐している、と言えるかもしれない。
骨董通りについてだが、名前の通り、骨董屋が多いらしい。
昔、なんでも鑑定団を見て、自分も、興味本位に一度だけ、歩いたことがあるけど。
中島誠之助が、自分が命名者だ、と嬉しそうに、語っていたっけ。
でも、訪れたときは、たしかに、骨董屋は多かったが、もう軒を連ねるほどでもないようだったなあ。
全盛期は、神田の古本屋街みたいだったのだろうか。その頃、訪れたことはないので、わからないが。
この通りに、骨董屋が集まったのは、北側にある、戦後できた、根津美術館の影響だったらしい。
そして、高度成長期に六本木通りが新設されて、脇道になったことも、骨董屋商店街には都合がよかったことだろう。
だが、今のような都心集積化の時代、ひなびた骨董屋は、もはや、なくなりつつあるのかもしれない。
もしそうなら、骨董通りの全盛期だった高度成長期、その頃に建った富士フィルム西麻布ビルは、思い出のある、とても印象的な建築物なのかな。
それは、どうだか、わからない。
だけど、このビルに骨董品のような価値はなくとも、十分にレトロな雰囲気は持っていると思うのだが。
(2008年2月記)