銀座線虎ノ門駅(経済産業省総合庁舎)

経済産業省総合庁舎

高田馬場から山手線で渋谷へ。
渋谷駅から銀座線に乗る。
虎ノ門駅で降りる。
目の前に霞が関コモンゲートのツイン高層ビルが建って、景観がだいぶ変わってしまったな。
桜田通りを北へ歩いていく。
霞が関コモンゲートの北側は、まだ、昔の官庁街のままだ。
だが、この先、どうなっていくのかわからない。
さらに北へ歩くと、桜田通りの東側に経済産業省総合庁舎がある。
高度成長時代により、経済大国となった、安定期の頃に竣工している。
いかにもそんな感じだ。
経済大国を目指して本当によかった、ということで立派な庁舎棟が建った、というわけかな。
でも、「経済大国」ってどういう意味なんだろう。
そもそも、「経済」と「国」、というのは、どう結びつくのだろうか。
あらためて考えてみると不思議だ。
「経済」、というと、商人、お店、商売、というところだが、そのようなイメージと国家が、合わさっている、というのは想像できない。
国家、という組織の中に「経済」、という要素があるわけでもないし、また、官僚が商人であるわけでもないからだ。
ひょっとしたら、関係性、という観点から見れば、わかるかもしれない。
つまり、国家は、国際社会を構成する、それぞれの国家間の関係により成り立つ、と考えてみるのだ。
その関係には、いろんな関係があるわけだが、そのうちの一つ、現代では最も有力な関係に、経済関係がある。
その国と国との経済関係に、いち早く対応した国が経済大国なんじゃないだろうか。
その対応をうまく成立させたのが、経済産業省、かどうかわからないけど。
でも、そうだとすると、現代は、国際社会の隅々まで「経済関係」が流布されてしまったので、いち早く対応した、という優位性は、もはや消滅してしまっている。
ならば、経済産業省総合庁舎も、霞が関コモンゲートみたいな巨大な高層ビルに建て代わる、なんてことは、ないのかもしれない。
経済大国としてもてはやされた頃のレトロな歴史的建造物になるのかな。
(2008年3月記)