銀座線虎ノ門駅(特許庁総合庁舎)

特許庁総合庁舎

桜田通りを南へ歩く。
虎ノ門駅のある交差点に戻る。
今度は大通りを西へ。赤坂方面へ進む。
霞が関コモンゲートの南側になる。
少し歩くと、霞が関ビル東京倶楽部ビルの西側に特許庁総合庁舎がある。
竣工は、バブルの頃だ。
日本中がバブル景気に舞い上がっていた頃、外観が金庫のような、頑丈そうな、この建物はできあがっている。
土地が富の源泉だと信じられていた時代に、本当は情報の方が重要だと、察知していたかのようだ。
土地なんて、本来、レアメタルか石油でも埋蔵されていない限り、価値などないに等しい、なんてことがわかっていたのだろう。
実に賢明なことのように思える。
バブル崩壊失われた10年、ということも折込済み、というわけかな。
だから、このような巨大な金庫ビルを建てたのだろうか。
つまり、経済大国としての、もろい優位性を少しでも維持するためには、情報を保持することと、インフラを充実させて、不動産価値を高めること、それしかないわけだから、当然、そうなるだろう。
そんなふうにして、経済大国を担いで走らなければならないわけだ。
そのようなことに対して、経済大国である、ということで、どんな利点があるのか。どんな恩恵があるのか。
あるいは、昔のような、貧しい時代に戻りたくはない、ということなのか。
そんな疑問を持ってしまう。
でも、国際社会において、経済関係が成立してしまった、今となっては、もはや走り続けるしかない。
高度成長期の頃はゴールを目指して、走っていた。
今は、追い立てられるようにして、走っている。
そんな違いはあるけど。
(2008年3月記)