山手線東京駅西口(丸の内ホテル)

丸の内ホテル

水天宮駅へ。
現在は、航空機の搭乗手続き、出国手続きがなくなったせいかどうかわからないが、なんか普通の駅になったような気がする。
もっとも、海外旅行客が、当時、押し寄せていた、という記憶はないんだけど。
半蔵門線に乗り、大手町駅で下車。
東京駅目指して南へ歩き、永代通りに入って、今度は東へ。
すぐに、永代通りの南側に丸の内オアゾの高層ビル群。
この圧倒されるような高層ビル群を見て、思わず納得してしまうことがある。
すなわち、さっき訪れたバブル期の隅田川ウォーターフロント再開発地に取って代わったのは、都心集積化なのだろう、ということだ。
この高層ビルの密集ぶりを見ると、まさに集積化、という感じがする。
ちなみに、丸の内オアゾ高層ビル群は、日本生命丸の内ビル丸の内センタービル新丸の内センタービル丸の内北口ビル、そして、丸の内ホテル、の5棟の高層ビルから構成されているのだが。
山手線に沿って南へ。
東京駅の駅前へ向かい、とりあえず、丸の内オアゾの東側に出る。
丸の内オアゾ高層ビル群の東側にある丸の内ホテルを見るためなのだが。
ホテルの方はわからないけど、このビルには、有名な書店、丸善が店を構えている。
丸善、といえば、小説の「檸檬」を思い出してしまうな。(丸善、といっても、小説の舞台は京都店らしい)
小説の内容は、主人公が、丸善に行って、画集の上に檸檬を載せて、立ち去る、それだけの話なのだが。
たぶん、丸善が、鬱屈した閉塞感、そして、檸檬が、瑞々しい、若々しい情熱、を表現していたように思う。
ふと、今の、この密集した高層ビル群の中の丸善には、何を置いたらいいのだろうか、と考えてしまう。
隅田川ウォーターフロントの土手に並木として植えられている桜の枝、それがいいかな。でも、花が咲いてるわけではないし。
いろいろ考えを巡らせていたけど、やっぱり、考えるのはやめた。
この巨大なビル群を見上げていると、檸檬が百個あっても、とうてい太刀打ちできないと気付いたからなのだが。
(2008年3月記)