銀座線赤坂見附駅(鹿島建設本社2号棟)

鹿島建設本社2号棟

高田馬場駅から東西線飯田橋駅南北線に乗り換える。
永田町駅で下車。
地上に出て、青山通りを弁慶濠へ向かって下っていく。
赤坂見附の交差点あたりが、下りきったところだ。
そこを過ぎると今度は登りになる。
すぐに、青山通りの北側に鹿島建設本社2号棟がある。
実は、この時点で、この高層ビルの解体工事は始まっていたのだ。
更地になる前に、ということであわてて見に来たわけなのだが。
すでに解体されつつある、この高層ビルの竣工は、高度成長期の終わり頃だ。
このように、かなり古い高層ビルなのだが、デザインがすっきりしていて、今見ても、未来的、あるいは、SF的な感じさえする。
そのようなSF的な外観だからだろうか、ウルトラセブンにも、この高層ビルは、登場していた。
「第四惑星の悪夢」という話である。
内容は以下の通り。
長距離宇宙ロケットのテスト飛行中、知らぬ間に、第四惑星という謎の惑星に不時着してしまう。(実際は誘導されていた)
その惑星は、地球とそっくりなのだが、大きく違う点があった。ロボットが人間を支配している、という点だ。
そして、その支配の仕方が、実に理不尽、非人間的(ロボットなので、当たり前かもしれない)、なのだ。
このロボット支配者たちのコントロールセンターとして、鹿島建設本社ビルの外観が映っている。
とても暗澹とした内容で、まさに題名の通り、悪夢のような世界なのだが、そういう世界をとてもうまく表現している、と思う。
でも、その絶望的な話をSF、空想物語として、描けるところに、当時ののんびりした風潮があったのかもしれない。
「第四惑星の悪夢」の最後の場面なのだが、無事、地球に帰還した隊員が、下駄を飛ばして、天気予報をするシーン、というところからも、当時ののんびりさが伺える。
とすると、ロボット支配者たちのコントロールセンター、鹿島建設本社ビルが、なくなってしまう、ということは、昔ののんびりした空気も同時になくなる、ということかもしれない。
解体工事中のフェンスに囲まれた鹿島建設本社ビルを見上げていたら、ふと、そんなことがよぎってしまった。
(2008年3月記)