銀座線外苑前駅(青山ザ・タワー)

青山ザ・タワー

さらに青山通りを西へと歩いていく。
南北に伸びる外苑西通りとの交差点。
外苑西通りに入って南へ。
少し歩いていくと青山ザ・タワーがある。
失われた10年の後、都心集積化の時代に竣工している。
白亜の外壁、滑らかな曲線を持つ外観が美しい建物だ。
この建物のすぐ東側には広大な青山霊園が広がっている。
そのような青山ザ・タワーのデザインは、隣接する青山霊園の静謐なイメージには、相応しいのかもしれない。
もっとも、実は、青山霊園には、一度も行ったことはないのだけど。
とても有名な霊園なので、そのような静謐な雰囲気はあるとは思う。
そんな、まったく縁のない青山霊園なのだが、少しだけ記憶に残っていることがある。
バブルの頃に同僚が、やたらと、青山霊園で花見をしたいと誘っていたのを思い出すのだ。
そのときは、なんで霊園で花見をするのかと、訝しく思ったものだ。
それに、花見、といえば、「青山」のような流行の最先端の街とは、どうも、そぐわない気がした。
飛鳥山公園千鳥ヶ淵、そういったところが順当なのかもしれない。
だが、昔からそうだったかどうか、わからないけど、青山霊園、といえば、今では、花見の名所らしい。
いつから、そういうことになったのかわからないが。
もちろん、バブルの頃、青山霊園に花見に行く、という動機は、桜の美しさよりも、バブルの熱気に絆された、ということの方が大きかったのは確かなのだ。
つまり、「桜」よりも「青山」、という街に惹かれたのだ。
そう考えると、ひょっとしたら、広大な青山霊園は、都市集積化の流れも加わり、霊園としての場、ではなく、テーマパークになってきているのかもしれない。
そして、このようなテーマパークの近くに、おしゃれな高層住宅が建った。それが、青山ザ・タワーなのかもしれない。
(2008年4月記)