総武線飯田橋駅北口(トヨタ自動車東京本社ビル)

トヨタ自動車東京本社ビル

練馬駅に戻り、都営大江戸線に乗る。
都庁前駅まで行き、ホームの反対側に停まっている車両に、乗り換える。
このままずっと乗っていてもいいのだが、かなり遠回りになってしまうので、逆方向に向かう車両に乗り換えたのだ。
都営大江戸線は、新宿の住宅地の地下を通り、やがて飯田橋駅へ。
地上に出ると、総武線飯田橋駅の北側に出ることになる。
よく利用してい東西線だと総武線飯田橋駅の南側になるのだが、今回は、北側の方が都合がいい。
歩道橋で幅広の目白通り外堀通りとの交差点を越え、東に出る。
さらに、東西に伸びる外堀通りの南側を東へと歩いていく。
しばらく行くと、小石川後楽園の南側、外堀通りの北側に、東西に並ぶようにして、高層ビルが建っている。
その一番西側にトヨタ自動車東京本社ビルがある。
竣工は、高度成長期の終わった、安定期の頃だ。
高層ビルとはいえ、世界のトヨタにしては、ビルの規模としては、小さいような気もするが、まだ、世界のトヨタになる前なので、こんなものなのかもしれない。もっとも、世界のトヨタになっても、このままだけど。
たしか、この高層ビルが建った頃、トヨタ自動車工業、トヨタ自動車販売が合併しているな。それが、世界のトヨタへの布石だったのかな。
北米に進出したのも、この頃なので、ひょっとしたら、このビルが建った時期が、転換点だったのかもしれない。
それはともかくとして、こうして、グローバル企業、世界のトヨタは、世界を席捲していき、現在に至っているのだ。
でも、入れ替わりに、格差社会とかワーキングプア、というのが入ってきてしまった気もする。
なんとか方式にしても、一企業の利潤を基準にした、ただの労働の損切りでしかない、そう思えるし。
もともと労働には、社会への参加、社会の関係性の保持、という別の価値がある。
そのような価値が、破壊されてしまったのかもしれない。
目の前にあるトヨタ自動車東京本社ビルが建った頃、高度成長を達成した安定期、将来がこんなになるなんて、想像できなかっただろうなあ。
こんなのどかな日和だと、その当時を思い出してしまう。
そして、その当時に、時計の針が逆に回って、時間が戻ってくれないかと、夢想してしまうのだ。
(2008年4月記)