両毛線前橋駅北口(前橋センタービル)

前橋センタービル

北へ歩いていくと、神社などもあり、歴史を感じさせる。
一方で、やはり、横浜にでもありそうな、今風のお店もあったりする。
ただ、やはり、どこまで行っても、閑散としているなあ。
地方が寂れている、ということもあるのだが、商業の街、高崎に比べ、こちらは、行政の街、なので、前橋は閑静な街、ということでもあるらしい。
よく、高崎は、埼玉県で言えば、大宮のような街であり、そして、前橋は、埼玉県の浦和のような街、と言われているが、たしかに、そんな感じだ。
さらに北へ歩いてくと、南東に伸びる道路があり、その道路の北側に前橋センタービルがある。
竣工は、バブルが崩壊した頃だ。
たぶん、バブル景気は、都心よりも地方が中心だったので、その勢いで、建ったのかもしれない。
そのような前橋センタービルの東には、南北に伸びる大通り。
南にある前橋駅へ一直線に伸びているので、メインストリート、というわけだろう。
並木になっている木々が、けっこう大きく茂っていて、地方の都市に来たのだ、と実感してしまう。
本当は、もっと散策したいのだが、着いたのが、夕方なので、もう帰るしかない。
メインストリートは、地方の雰囲気がしたのだが、駅前は、やはり、埼玉県あたりの郊外の都市みたいだ。
前橋駅構内は、さらに、もう郊外の大きな駅と変わらないな。
両毛線に乗って、高崎駅へ。
高崎線に乗り換える。
新幹線以外、こういう交通手段しかないものなのかな。高崎線に何度も乗っているような気がするが。
そして、たいてい乗っているときに、車窓の風景は夜の闇に閉ざされていくのだ。
また、退屈な時間を過ごさなければいけないのか。
だが、今回は違った。
向かいの席に陣取った高校生の一団が、憑かれたようにしゃべりまくっていて、その話の内容があまりに面白くて。
話も面白かったが、若い彼らには、本当に未来があって、なんだか、彼らの持っている未来が、頼もしいものに見えてしまったなあ。
夜の闇の中を、高崎線の車両は疾走し、やがて、大宮、浦和と過ぎていく。
高崎線もいつしか、地方の路線から、普通の通勤路線みたいになってきた。
客層が変わったからだろうが。
明るい高校生の一団もいなくなり、川口を過ぎて、赤羽へ。
埼京線に乗り換えるために、赤羽駅で降りる。
そして、いつもの、生活に戻る。
赤羽駅の構内を埼京線のホームに向かって、人波の中を縫うようにして急ぐ。
自分には、未来がないから、こうして、急ぐのだな、と思うと悲しくなるけど。
でも、さっきの高校生らの他愛のない面白い話を思い出すと、心の中が温かくなってきた。
(2008年5月記)