東急多摩川線下丸子駅(シエルズガーデンエールタワー)

シエルズガーデンエールタワー

キヤノンの敷地の通りを挟んで東側には、シエルズガーデンの集合住宅がある。
その集合住宅の中には、シエルズガーデンリビエルタワー、シエルズガーデンエールタワーの2棟が高層住宅となっている。
竣工は、失われた10年が終わって、到来した集積化の時代だ。
どちらも、多摩川に面して建っているので、いったん、多摩川の堤に出てみる。
建物の配置は、多摩川雄大な風景が一望の下、見渡せてるような、感じになっているな。
多摩川の緩やかな水の流れ、緑の多い河川敷、その向こうは多摩丘陵だろうか、そんな風景が目の前に広がっているのだ。
まるでリゾート地の中にいる気がする。
このような場所が、バブルの頃までは、工場地帯だったなんて、本当に信じられない。
いつの間にか、閑静な住宅街に変貌している。これが、ウォーターフロントの再開発、というわけだ。
なんとなく、このシエルズガーデンの集合住宅は、多摩川の風景を独占しているような気もするが、格差社会なのだから、仕方のないことだろう。
こんな風に、工場は、閑静な住宅地になっていく。
たぶん、工場で、みんなで、懸命に製品を製造するよりも、その工場を閑静な住宅地にして、その一帯をステータスにした方がいいからだろう。
なぜなら、そのステータスを使って、社会の中の競争を煽っておいた方が、社会的な利益になるからだ。
つまり、みなが、勝ち組を目指して競争する、そのエネルギーが、すなわち、利益、となるのだ。
でも、勝ち組、負け組、というのは、社会の中における、ただの、相対的な位置関係にすぎないのかもしれない。
もし、そうだとすれば、負け組、でなければ、イコール、勝ち組、ということになる。
ならば、そんな中で、みなが、勝ち組を目指す、ということになれば、どうなってしまうのだろうか。
たぶん、そのような格差社会の中での競争は、利益を生み出すのではなく、大量の負け組だけを生み出してしまう、そういうことになるんじゃないかな。
というわけなのだが、ちょっと、勝ち組、負け組は置いておくとして、そのステータスとやらに、少しは、あやかろうかと思ったのだが。でも、時間がないので止めた。
残念ながら、そんな暇はないのだ。(貧乏暇なし、とはこういうことだったりして)
(2008年6月記)