東急東横線武蔵小杉駅(リエトコート武蔵小杉ザ・クラッシィタワー)

リエトコート武蔵小杉ザ・クラッシィタ

矢口渡駅東急多摩川線に乗る。
東急多摩川線の沿線に今後、高層ビルが建つ、なんてことはないはずなので、たぶん、この路線に乗るのは、最後になるかもしれないなあ。
そういえば、路線の北側に木々の連なりが見えるのだが、あれは、鵜の森、というのだろうか。
ちょっと判らないな。確かめるすべもなく、車窓の風景として、その細長い林の風景は、流れ去っていく。
気を取り直し、今度は、南側、多摩川の流れの方を見やる。
しばらくすると、多摩川駅の手前あたりからだろうか、多摩川の向こう岸、武蔵小杉方面に、巨大な高層住宅が並び建っているのが見え始める。まるで、SFのような光景だ。
多摩川駅に着き、再び、東急東横線へ。
東急東横線に乗って、多摩川を鉄橋で渡る段になると、今度は、武蔵小杉の巨大な建築物は、ぐんぐんと、目の前に迫ってくる。いつもながら、すごい迫力だ。
多摩川を越えると、南西方向を向かっていた、東急東横線の線路は、緩やかに、南へとカーブを描いているのだが。
そのカーブに、列車が、入ると、そのカーブを進むたびに、窓外の巨大な建築群は、横へ横へと、大きく広がりながら、展開するように見えるのだ。
本当に、まさに、SFみたいな光景だ。
巨大なビル群の西側にある武蔵小杉駅に着き、近未来SFの地に降り立つ。
まず、高架に沿って南へ向かう。
すると、高架の西側には、まだ、下町っぽい商店街が残っているのだ。
これは、ブレードランナーの世界だな、と一瞬、思ったが、ちょっと大袈裟かな。
でも、こんな昔ながらの風景が、街の中に残っているのを見ると、ほっとする。
さらに、南へと歩くと、すぐに、南東へと伸びる、府中街道
ずっと昔からある通りなのだが、この通りが、東急東横線の高架をくぐっていく、このあたり、この光景は、まったく、変わっていないなあ。
そう思いながら、東急東横線の東側に出て、府中街道を南東にしばらく歩いていくと、武蔵小杉の巨大高層住宅群の一画、リエトコート武蔵小杉がある。
ザ・クラッシィタワー、イーストタワーの2棟からなるツインの高層住宅だ。
最近、建った高層住宅だ。
この建物を見上げていたら、なんだか、昔の武蔵小杉の風景は、頭から消えていってしまうようだな。
(2008年6月記)