横須賀線西大井駅東口(ジェイタワー西大井)

ジェイタワー西大井

高田馬場から山手線に乗る。
相変わらず、暑い。
もう、真夏なので、当たり前だな。
品川駅で横須賀線に乗り換える。
西大井駅で下車。東口に出る。
駅前広場の南側にジェイタワー西大井がある。
竣工は、失われた10年の後、都心集積化の頃だ。
最近、よく見かける、駅近くの高層住宅、といったところだろう。
この西大井駅自体も、バブル直前ぐらいに開業している、かなり新しい駅だ。
たぶん、広大な工場でもあったのだろう。その跡地再開発、というわけかな。
ということで、西大井駅周辺は、歴史も浅いので、とりたてて、特に印象に残るようなものも、ないなあ。
ここらへんは、何度か、来たことが、あるのだけど。
そんな中、唯一、印象深かったのは、路線バスだったな。
西大井駅の北側に、東西に伸びる、三間通り、立会川通り、という細い通りが、二本、並んでいるのだが。
その通りを走っているバスだ。
そのバスは、西大井の西側の第二京浜あたりと、西大井の東側の大井町駅を結んでいるらしい。
自分が、そのバスに乗ったのは、バスルートの西端、第二京浜近く。
何が興味深かったのかというと、このバスのルートが面白いのだ。
まず、第二京浜から三間通りに入り、東に進んで、西大井を通過、大井町駅へ。そして、今度は、立会川通りに入り、西へ。再び、西大井を通過して、第二京浜に戻ってくるのだ。
こうして見ると、たんに周回しているように見えるが、バスの通っている道路は、両方とも、一通なので、むしろ、往復している、という感じなのかな。
たしか、バス停も、三間通り、立会川通りには、同じ名前のバス停が立っていたりするはずだ。
これだけだと、やはり、ただの、変わったバスルートなんだけど。
でも、その時、バスを待っていると、季節は、冬だったかな、雪が、しんしんと、降り始めてきたのだ。一面が、徐々に白くなり始め、雪景色となっていった。
やっときたバスに乗り込み、座席に座って、ほっと一息つき、窓の外を見る。
古めかしい、レトロな街並みの中、狭い通りを走るバスの車窓の風景は、とても、ロマンチックに見えたなあ。
狭い、一通しかない通りを、うまく活用したバスルートなのだが、雪景色も手伝って、妙に印象に残ったものだ。
もっとも、将来的には、道路が拡幅されたり、再開発されたりして、きれいな街並みになっていくのだろうな。こんな変則的なバスルートもなくなるに違いない。
そして、一帯は、印象の薄い、西大井駅みたいになっていくのかな。
(2008年7月記)