田園都市線池尻大橋駅(ソプラタワー)

ソプラタワー

旧山手通りをそのまま、まっすぐ、南に行くと代官山に出る。
旧、だから、なおさらなのだろうか、この区間を歩くと、本当に、山の手を通っている通りだな、と実感してしまう。
実際、旧山の手通りの西側は、青葉台。東側にも、閑静な住宅街が広がっている。
さらに、246号線の北側、旧山の手通りの東側は、有名な松濤だ。
渋谷の街は、実は、このような、周辺の高級住宅街が、支えているのでは、と思ってしまうな。
246号線を西へ西へと歩いていく。
やがて、南北に伸びる、山手通りとの立体交差。谷地を通る山手通りの上を、246号線が橋梁で越えていく。
こちらの山の手通りの本道の方は、山の手ではなく、山の手の麓、目黒川沿いの谷地を通っている。
どおりで、閑静な住宅街を通る、旧山の手通りは、あんまり、交通量が多くないわけだ。こうして、谷地の方に交通量を振り向けているので、山の手は、静かな住環境は保たれているわけかな。
そのような谷地へと降りていくには、246号線の歩道際から、下に伸びている、階段を降りていくと、すぐなのだ。
なんか、秘密の抜け道、のような感じがする。
とんとん、と階段を降りて行き、谷地に降り立つ。
下町が広がっている、というほどでもないけど、やはり、山の手に対する、下界、というところだな。
本当に下町っぽい、というところは、もっと南側、中目黒からだろうか。
階段を降りたところから、少し南へ歩く。通りの東側にソプラタワーがある。
竣工は、失われた10年が終わる頃。都心集積化が始まる時期だ。
山の手は、すでに、高級住宅街になっているので、せめて、その、そばに高層住宅、という、人工の山の手を作る、ということか。
こうして、下町は、山の手の仲間入りをするわけだが。
もっとも、下町が、豊かになるわけでもなく、ただ、その範囲が狭くなっていくだけなんだけど。
(2008年8月記)