南北線六本木一丁目駅(六本木3丁目7番地再開発)

六本木3丁目7番地再開発

そのまま、六本木アークタワーズイーストの前の通りを、南西へ歩いていく。
どんどん歩いていくと、突き当たりへ。その突き当りを、西へ曲って、そのまま、西へ向かう。
南北に伸びる大通りがある。
その大通りを渡り、日本IBM本社ビルと六本木ティーキューブの間にある、細い道に入って、西へと進む。
東西に伸びる六本木通りへ出る。
さらに、西へ西へと進むと、六本木通りの南側に、六本木3丁目7番地再開発の工事現場がある。
かなり前から、更地が広がっていたが、やっと、工事が始まったようだ。
やっと始まったのはいいが、いったい、いつから、このような更地が広がっていたのか、よくわからない。
学校のような、広い施設があったわけでも、なさそうだし。
ということで、六本木3丁目7番地再開発の縁に沿って、ちょっと、南へと歩いてみる。
すると、その先に、六本木墓苑、という墓地がある。
この墓地は、たしか、オリンピックの頃、六本木通りが拡張されるのに伴って、近辺の五つの寺院の墓地が、別の寺院の跡地、すなわち、今の場所、に移転して、できたものらしい。
では、元の墓地、というのは、いったいどこにあったのだろう。
ひょっとしたら、六本木3丁目7番地再開発の場所、だったのかな。
もし、そうだとすると、この場所、オリンピックの前は、墓地だったのだろうか。
そう言われてみれば、なんとなく、そういう感じもするなあ。
それに、そういう場所だからこそ、高層ビルを建てるしかなかった、とも考えられる。
もっとも、この場所の来歴は、今は、曖昧なままにしておいた方が、いいのかもしれないな。
明確にわかったところで、どうなるわけでもないし。
新しい高層ビルが建つ、という事実の前では、過ぎ去ったことは、所詮、どうでもいいことなのだ。
ただ、この場所に、高層ビルが建った頃、やっぱり、調べてみようか、とも思う。
新しく建つビルも、時間の流れの中、過ぎ去れば、同じように、どうでもよくなるからだ。
だとすると、少なくとも、その土地には、時間の流れ、すなわち、物語、しか、もはや残らない、ということになる。
ならば、その物語を知る、ということは、ちょっとは、意味があるかもしれないな。
(2008年8月記)