山手線田町駅(セレスティン芝三井ビルディング)

セレスティン芝三井ビルディング

オリックス本社ビルの道路を挟んで南側には、セレスティン芝三井ビルディングがある。さらに、その南側には、中央三井信託銀行本店ビルもある。
竣工は、丸の内オアゾができた、少し前。失われた10年が終わって、集積化の時代に入る頃だ。
こんな風に、都心の中心部には、集中的に高層ビルが建ち始める。
そして、今も、高層ビルは、建ち続けている。
だが、少なくとも、この一帯では、その勢いは、途絶えているように思えるが。
実際、今後、高層ビルが建つ予定もないし。
ようやく、この街も、落ち着きを取り戻したようだ。
これから先、このまま、何年も何年も、静かに年月を重ねていくことだろう。
ということで、セレスティン芝三井ビルディングも訪れたことだし、もう帰ることにする。
すっかり、雨に濡れたアスファルトの路面を南へと歩いて、田町駅へ。いつしか雨は、止んだようだ。
この雨は、ほんの俄か雨だったかもしれないが、真夏によくある、夕立、という感じではない。季節が大きく動いた、そんな感じの雨だったな。
暑い夏だったけど、そんな夏も、もう終わりが近付いているのか、そう思うと、ちょっと寂しい気もするが。
巨大な日本電気本社ビルの西側を歩いていく。
そういえば、NHK大河ドラマが大人気らしい。ちなみに、このあたりは、幕末の頃、薩摩藩中屋敷があったのだが、その大河ドラマの舞台の一つにもなっている。
ひょっとしたら、ロケ地巡り、なんて、やっているのだろうか。
もっとも、自分にとっては、巨大な日本電気本社ビルの方が、バブルっぽくて、思い出深いのだが。
路地のような細い道に入って、さらに南へ。飲食店街に入る。
昼間は、もともと、静かなんだろうが、さきほどの、雨のせいか、閑散としている。
その飲食店街を抜けると、第一京浜。横断歩道を渡れば、田町駅だ。
信号が青に変わり、第一京浜を渡っていく。
雨に濡れたその横断歩道を歩くたびに、一歩一歩、夏が遠ざかり、季節が、秋へと進んでいる気がする。
季節は、秋へ。その後は、もう、冬か。
時間ばかりが、流れていくなあ。
(2008年8月記)