山手線浜松町駅（シーバンス）

そのまま、東南方向に歩く。
五反田の街も、昔は、ずいぶんと胡散臭い雰囲気に満ちていたのだが。最近になって、だんだん、きれいになってきてしまったなあ。
きれいに、片付いていくのは、いいんだけど、胡散臭い頃の方が、妙に懐かしいのは、何故なんだろうか。
五反田駅に着き、山手線に乗る。
浜松町で下車。
駅西側に出て、山手線に沿って、南へ歩く。
地下道を通って、山手線の東側に出る。
出たところに、階段があり、そこを登っていくと、通路へ。
その通路を通っていくと、下には、古川の流れがある。
通路は、古川に架かる橋になっていて、川の南側に出られるようになっているのだ。
こんな風に、一段高い通路が、橋になっているのは、古川を船が通るからだろうか。
通りを山手線に沿って、さらに、南へ南へと歩いていく。
やがて、通りの東側に、シーバンス。
N館、S館という2棟の高層棟からなっている。
竣工は、バブルの終わり頃だ。
バブルの頃の高層建築物は、妙におしゃれなのだが、このように、意外と小さかったりするな。
さらに言えば、シーバンスもそうなんだけど、とても、不便な場所にある、ということだ。
当時は、余裕があったのか、エネルギーがあったのか、不便な場所、というのは、厭わないし、そもそも、関係なかったのかもしれない。
そういえば、シーバンスからちょっと南側に足を伸ばせば、一世を風靡した、ディスコのジュリアナ東京があったのだ。
今なら、場所が不便、というだけで、敬遠されたような気もする。
シーバンス自体も過剰に贅沢な空間になっているが、今日のような休日は、閑散としているどころか、まったく、誰もいない。
いくら、贅を尽くした施設であっても、こんな場所に来るのは、さすがに面倒なんだろうな。
昔に比べて、世の中に、すっかり、余裕、というものが、なくなってしまったような気がする。
（2008年8月記）