日比谷線神谷町駅(神谷町MTビル)

神谷町MTビル

やがて、南北に伸びる、交通量の多い、幅広な昭和通り。上空には、首都高上野線の高架が走っている。
この通りの先は、もう、秋葉原だ。
昔は、毎週のように、秋葉原に通っていたものけど、最近は、行かなくなったなあ。
とくに、秋葉原に行かなくても、量販店があちこちにできたので、そこで用が足りてしまう、ということもあるのだけど。
ただ、以前、秋葉原には、下町商店街みたいな、ラビリンス、カオス、というような雰囲気があったが、今の秋葉原は、すっかり、きれいになって、見通しがよくなって、そのような雰囲気がなくなってしまった、ということもある。
そんな秋葉原を横に見ながら、昭和通りを南に歩く。
すぐに、日比谷線秋葉原駅に着く。
地下に降りていき、日比谷線へ。都心に向かう。
神谷町駅で下車。
まわりには、静かなビル街。緑がけっこう多くて、落ち着いた街並み。
オープンカフェが、普通にあるような感じがするなあ。
ついさっきまで、押上、曳舟、本所、浅草橋、そんな城東の下町界隈を歩き回っていたので、地上に出ると、本当に、まるで、外国に来たみたいな感じがする。
もっとも、そのような下町も、今後、再開発が、進めば、昔に比べ、ここらへんと、それほどの、違和感はなくなるだろう。
違和感がなくなるのはいいのだが、それは、たぶん、下町が、一方的になくなる、ということなのかもしれないな。だとすると、ちょっと、寂しい気もするが。
そんなことを考えながら、南北に伸びる桜田通りから、西側へ。
少し、入ったところに、神谷町MTビルがある。
竣工は、バブルが崩壊した頃だ。
高層ビルの出現は、特に、一帯のきれいな街並みの形成に一役、買ったことだろう。
こうして、今に到っても、ますます、街は整備されている。
ただ、実は、ここらへん、駅名、神谷町、とあるように、西側の六本木の台地と東側の愛宕山に挟まれた、薄暗い谷地なのだ。
谷地、ということは、かつては、下町だったのだろう。
とすると、押上、曳舟の将来は、神谷町、ということなのかな。
(2008年9月記)