千代田線赤坂駅(国際新赤坂ビル東館)

国際新赤坂ビル東館

西へ歩いていくと、いつしか、山王日枝神社に沿うようにして、道は南へと向きを変える。
鬱蒼とした木々を見ていると、ここが、都心とは、思えない感じだ。
そのまま、南へ歩くと、急に開けた場所。南北に伸びる外堀通りに出る。
そういえば、かなり前、山王日枝神社に、一度、行ったことがあるな。
かなり前なので、よく覚えていないが。
覚えていることといえば、意外と広い、ということと、なぜか、ニワトリがたくさんいたことぐらいだ。
境内をぐるっと回って、脇道のようなところを、どんどん、下っていったら、さっき、通ってきた、山王日枝神社に沿うように伸びている道に、ひょっこりと出てしまった。
西参道、というらしい。
それだけなのだが、とにかく、広い、ということが、印象に残っている。
たぶん、面積は、実際、それほど、広くはないのかもしれないが、大鳥居をくぐり、表参道の石段を上がり、境内のいろいろな事物を見て回っているうちに、そのことが、記憶の中に、広大な世界観を形成していく、ということなのだろう。
ある種の、よくできたテーマパーク、といっては、いけないのかもしれないが、そういう感じがする。
時間ができたら、もう一度、山王日枝神社をたずねて、ぜひ、あのニワトリが、なんだったのか、確かめてみたいな。
幅広な外堀通りを渡り、西に伸びる、赤坂通りへ。そのまま西へ歩く。
やがて、最近、登場した赤坂サカスのビル群。
そして、赤坂通りを挟んで、南側には、国際新赤坂ビル東館、西館がある。
竣工は、高度成長を達成した後の、安定期の頃。
国際新赤坂ビルのある赤坂は、高度成長期までは、屈指の繁華街だったらしいが、高度成長が終わってみると、静かな街になってしまった。
その代わりに、こうして、国際新赤坂ビルのような高層ビルが建っていったわけだろうか。
賑やかな繁華街から静かなオフィス街への変遷。
時代は流れる。
いつまでも、変わらないのは、山王日枝神社の鬱蒼とした森だけかもしれない。
あと、ニワトリを飼う習いも昔からかな。
やはり、今度、山王日枝神社のニワトリについて、調べてみなくては。
(2008年9月記)