有楽町線桜田門駅(中央合同庁舎第6号館B棟、C棟)

中央合同庁舎第6号館B棟、C棟

中央合同庁舎第6号館A棟の南側には、中央合同庁舎第6号館B棟、C棟がある。
南北に並んで建っている。まるで、官庁街を守る壁のようだ。
竣工は、バブルが崩壊した頃。
有効需要の創設、ということで、建てたのだろうか。
バブルの頃に建った、北側の中央合同庁舎第6号館A棟と、どう違うのか、わからないけど。
たしか、バブルが崩壊した当初は、有効需要の創設、ということで、前倒し発注、という言葉が、勇ましく、あるいは、頼もしく、連呼されていたものだったな。
中央合同庁舎第6号館B棟、C棟も、その類なのだろうか。
とにかく、あっちでも、こっちでも、無理やり、工事着工を早めて、景気を活性化させよう、ということだったらしい。
もっとも、その工事によって、完成したものが、利益を生まなければ、後には、莫大な借金だけが残ることになる。
有効需要が、そもそも、本来は、どういう意味か、わからないが、あの頃の、前倒し発注は、ほとんど、人工的に、バブルを発生させようとしただけのような気もする。
工事をやっている間は、賑やかで、景気がいいのだが、終わってみると、後は、どうするのだろう、ということになってしまうのだ。
こういうことが、失われた10年、を生んだのかな。
そして、その後は、格差社会の登場、となってしまう。
もっとも、そのことで、利益が生じたり、豊かになったり、なんてことはない。単に、勝ち組、負け組、ができただけなのだが。
これでは、究極の選択、ということだな。
つまり、豊かさを維持するために、借金で、破綻を、先送りするか。あるいは、破綻を、負け組に被せるか。
他に道はないものなのだろうか。
ひょっとしたら、もともと、この経済大国、というのは、分不相応だったのかもしれない。
そう考えることで、他の道も開けるのではないかな。
(2008年9月記)