銀座線三越前駅(室町東地区開発計画日本橋野村ビル)

室町東地区開発計画日本橋野村ビル

高田馬場駅から東西線に乗る。
日本橋駅で下車。
地上に出ると、東西に伸びる永代通りと、南北に伸びる中央通りとの交差点。
中央通りに入り、北へと歩いていく。
すぐに、東へと流れる、日本橋川、そして、その日本橋川に架かる、日本橋がある。
上空には、都心環状線の高架が空を覆うように、伸びている。
日本橋を渡ると、天を覆う、高速道路から、光が洩れて、差し込むようで、幻想的な感じだ。
まるで、下を流れる、日本橋川が、深い、峡谷の底を流れているようにも、思える。
今日は、曇りだが、晴れていれば、もっと、きれいだったかもしれないな。
渡り終えると、通りの西側には、三越百貨店。
たしか、昔、ものは試し、ということで、一度ぐらいは、入ったような記憶もあるが、入っただけなので、ほとんど記憶にない。
物見遊山、ということはあっても、それ以上に、用のある場所ではないな。
ただ、昔は、このような、いわゆるデパート、というのも、それほど、隔絶した存在ではなかったような気もするが。
バブル期以前の、総中流な社会にあっては、デパートは、非日常を楽しむ、そんな場所だったのかもしれない。
でも、今は、デパートどころじゃないし。そんな余裕は、まったくないな。
たぶん、百貨店が不振なのも、このように、総中流社会が崩れてしまった、ということが大きいような気もする。
さらに北へ歩いていく。
通りの西側には、巨大な日本橋三井タワー。通りを挟んで、東側には、室町東地区開発計画日本橋野村ビルの工事現場がある。
他にも、2棟、高層ビルが建つらしい。
日本橋、というと、さっきの三越百貨店を代表とする、銀座のような商業地、だったはずだが。
どうも、バブル崩壊後に、潮目が変わったらしい。
日本橋東急百貨店が消滅したのも、その流れなのだろう。
商業地がオフィス街になっていくのだ。
だが、単純に、今まで商業地だった場所に、オフィスビルが建つ、ということでもなさそうだな。
オフィス街と商業地が合体した、新しい都市空間が広がっている、ということかもしれない。
ひょっとしたら、たまの休日に、スーパーではなく、デパートに行く、なんてことも、懐かしい、昔語りになるのだろうか。
もうすでに、そうなっているんだけど。
(2008年10月記)