中央線四ッ谷駅(麹町ミレニアムガーデンオフィスタワー)

麹町ミレニアムガーデンオフィスタワー

南へと歩き、中野駅へ。
中央線に乗る。
四ッ谷駅で下車。
東西に伸びる新宿通りに出て、東へと歩く。
しばらく進むと、新宿通りの北側に麹町ミレニアムガーデンオフィスタワーがある。
竣工は、バブルが崩壊した後、失われた10年の終わり頃。
そろそろ、都心に巨大ビルが集中的に建ち始める時期だ。
ビル名にあるように、ミレニアム、ということで、新しい時代の到来、ということだろう。
しかし、未来はまったく感じなかったけどな。
そういえば、目の前の大通り、新宿通りの先には、半蔵門がある。
名前は、忍者、服部半蔵からとられている、ということだ。
服部半蔵についてだが、この人物を取り上げたマンガ作品を今でもよく覚えている。作者も、題名すらも、わからないけど。
たしか、こんな話だった。
忍者、というのは、日の当たらない影の世界の仕事。
危険なこと、汚いこと、それらを一手に引き受け、徳川家康に仕えていた。
ある時は、負け戦で、徳川家康をおぶって、戦場を駆け回り、敵の攻撃から逃れたり。
だが、そんな戦国時代も終わり、平和な時代になって、忍者もいらなくなる。
そして、服部半蔵は、忘れ去られ、ひっそりと、亡くなる。
徳川家康は、悲しみ、大いに悼む。
でも、日の当たらない世界にいる、忍者には、徳川家康であっても、何もしてあげることは、できないのだ。
そこで、せめてもの感謝の気持ち、として、門の名前に、服部半蔵の名前を入れた、というわけだ。
実際は、服部半蔵は、忍者、というより、ほとんど武将だったし、半蔵門の前を、服部半蔵や、その配下が、固めていたので、半蔵門、となったわけで、門の名前の由来としては、それほど、ドラマチックではないけど。
ただ、やはり、歴史は十分に、感じる名前だ。
歴史を感じる、といえば、ミレニアムを冠した、麹町ミレニアムガーデンオフィスタワー、というのは、ずいぶんと、大仰な名前だな。
だけど、そのミレニアム、未来もなければ、夢もない、今の時代のことなのだ。
だからだろうか、なんだか、このビル名、興醒めしてしまう。
(2008年10月記)