水戸市笠原町(茨城県庁舎)

茨城県庁舎

水戸街道を東へ東へと歩く。いや、もう時間がないので、走っていく。
地図によると、水戸街道は、駅近くだと、黄門さん通り、と名前が変わるらしい。
地元では、本当にそう言うのかな。わからないが。
なんて、のんきなこと、考えている暇はない。
せめて、水戸駅まで、バスで行こうかと、思うのだけど、バス停で待っている時間が惜しいし。
と思って、急いでる、そばから、バスが水戸駅方向に走り去っていくのだ。
水戸の街並みを、直に歩いてみるのも、いいかな、と悔し紛れに思ってみる。
大通りが、下り坂になった先に、やっと、水戸駅前。
駅前のバス路線の表示板を見て、だいたいの、路線網について、わかり、ようやく、ほっとする。
それにしても、さっきの、大工町から水戸駅まで、一応、商業地が連続していて、それなりに、大きな街だと、実感できたな。
さっそく、茨城県庁舎方面に向かうバスに乗り込む。
バスは、水戸街道を西へ。さっきの大工町の交差点を、南に曲がる。
これなら、水戸駅まで行く必要はなかったが、わからないので、仕方ない。
バスは、千波湖の西を南へ。
千波湖を過ぎると、窓外には、ちょっと古ぼけた感じの住宅地が並ぶ。
一昔前の郊外、といった、感じだな。
さらに、南へ南へとバスは、走り、途中、県庁前バス停で下車。
通りの東側に茨城県庁舎がある。
竣工は、失われた10年の頃。景気がよくないと、公共の施設が建つものらしい。
なんだか、閑散としているのに、妙に贅沢な、あるいは、贅を尽くした、施設だな。
と、感心している暇はない。すぐに、水戸駅まで戻らなければ。
さっきの県庁前バス停の時刻表だと、あんまり、本数はなさそうなのだが、ちょうど、県庁地階の駐車場近くにバス停があったので、そこで、待ってみる。
ふと、バス停の時刻表を見たら、ほとんど、本数がないではないか。
なにかの冗談かと思ったが。急いで、茨城県庁の東側へ。そこには、県庁バスターミナル、という場所があるらしい。
バスが、ひっきりなしに、出発している光景を、頭に描きながら、向かうと、誰もいない。
ひょっとして、と思い、時刻表を見たら、はたして、こちらも、ほとんど本数がないではないか。
地方都市で困るのは、クルマ社会なので、移動手段がないことなのだ。
待つしかないな。
ポツンと一人、ベンチに座って、待っていると、別の客が現れた。
同類が来た、と喜んだのだが、そちらを見ると、見回りに来た、警備員だった。
こんなところで、ひたすら、バスを待っていて、日が暮れたら、たまらないな。
バスの通るコースからみて、さっき、降りた県庁前バス停で、バスに乗ったほうが、早く、水戸駅に着くのでは、と思い立ち、県庁バスターミナルで待つのは、やめる。
また、豪勢な作りの茨城県庁を通って、西側へ。
県庁前バス停でバスを待つことにする。
日没までに、水戸駅に着ければいいのだが。
(2008年11月記)