東急東横線武蔵小杉駅(中原消防署リッチモンドホテルプレミア武蔵小

中原消防署リッチモンドホテルプレミア

高田馬場駅から山手線で渋谷駅へ。
渋谷駅で東急東横線に乗る。
天気は、それほど、よくないが、秋、ということで、過ごしやすい季節。
そういうわけで、電車も、休日なのに、いや、休日だから、だろうか、かなりの混みようだな。
そんな、電車内で、ドタッ、と物音がした。
そちらの方を見ると、体躯はでかいが、いかにも、負け組にいそうな、風采の上がらぬ、おじさんが、バランスを崩して、よろめいていたのだ。
もうじき、自由が丘、というあたりで、特に、カーブのあるような、場所でもないのだが、何か、心配なこととか、余計なこととか、考えていたのだろうか。
話は、ここで終わらない。
その、体のでかい、負け組のおじさんは、4人掛けのシートに座っていた、テニスウエアに身を包む、いかにも、勝ち組の一団の一人の足を踏んでしまったのだ。
金持ち喧嘩せず、というのは、ウソ、なのかな。あるいは、景気がよくないので、勝ち組も、イライラ、していたのかな。
その勝ち組テニスウエアは、えらい勢いで、怒り始めた。
負け組のおじさんは、やはり、負け組なので、可哀想なぐらい平身低頭、ほうほうの体で次の駅で降りてしまう。
たぶん、踏まれた足の痛さよりも、負け組と関わってしまった、ということが、勝ち組テニスウエアの激怒の理由のような気がするな。
「負けがうつるじゃねえか」、と心の中で、嘯いていたかどうか、知らないが。
こんな光景、見ると、モチベーションが落ちるなあ。
東急東横線に乗るときは、こっちも気をつけないと。という、問題ではないんだが。
意気消沈したまま、武蔵小杉駅で下車。
駅南側へ行ってみる。かつては、一面、工事中で、何もなかったはずだ。
だが、駅東側に、巨大な高層住宅が建って、そこへの、道ができている。
その道を、東へと、歩いていき、南北に伸びる、綱島街道へ。
綱島街道の東側には、最近、できた、中原消防署リッチモンドホテルプレミア武蔵小杉がある。
このビルは、地階に、消防署がある、珍しい高層ビルなのだ。
なんでも、高層ビルに入れてしまう、というのは、集積化の極致だな。
たまたま、敷地がなかっただけなんだろうけど、時代を象徴しているように思える。
(2008年11月記)