りんかい線東雲駅(東雲2丁目計画)

東雲2丁目計画

南に歩き、辰巳桜橋の袂へ。
今度は、西に進む。東雲キャナルコートの南側を通っていく。
南北に伸びる晴海通りへ。
この晴海通りに沿って、東雲キャナルコートの西側にも、南北に高層住宅が建ち並ぶらしいのだが、いつになることやら。
晴海通りを南に歩いていく。
東雲キャナルコートの高層住宅群を過ぎると、倉庫街が広がる。
高層住宅が建ち並ぶ中にいると、つい、錯覚してしまうが、一帯の、本来の姿は、今、目の前に広がっている、荒涼とした、倉庫街なのだ。
江東区埋立地なのだから、そういうことになるだろうな。
さらに、南へ進むと、りんかい線東雲駅の近く、というところ、晴海通りの西側に東雲2丁目計画。
こうして見ると、東雲キャナルコートの高層住宅群が、着々と、南側にも拡大し、東雲駅に達しそうな勢いを感じてしまう。
あるいは、西側の、有明に建っている、高層住宅群が、東側に拡大し、東雲キャナルコートの高層住宅群と合体するかに、見えてしまう。
でも、本当にそんなことがありえるのだろうか。
まわりの、昔から、変わらない、荒涼とした、光景を見ていると、どうしても、疑問に思ってしまうな。
たしかに、倉庫街は、もう、いらなくなるだろう。そして、その跡地には、いつか、やっぱり、高層住宅が建っていくのかもしれない。
けれど、倉庫街、の次は、高層住宅、というのは、あまりにも、安直過ぎる。
実話かどうか、わからないけど、昔、ある国の国民が貧窮に喘ぎ、パンにも困っているとき、能天気な女王様が、「パンがなければ、ケーキを食べればいいのに」と、仰ったそうだ。
そんな逸話と似ているような感じだ。
倉庫街は、実体に基づいて、その場所に、あったのだろうけど、高層住宅が、同じだけの実体を、そもそも、持っているものなのだろうか。
こんなことは、いつか、行き詰ってしまうに違いない。
倉庫街がなくなって、そして、もう、何もかも、なくなってしまった。そうならなければ、いいけど。
東雲駅に向かって歩く。
東西に伸びる湾岸道路を越えれば、東雲駅、となる。
ここの横断歩道、何回か、通っているが、必ず、道路の中央部分で、信号が、赤になってしまうのだ。
だから、青になったら、すぐに、ダッシュ。すると、後ろにいた、女性も、同じように、走ってくるではないか。
考えることは、同じなんだな。
赤になる前に、湾岸道路の反対側に、辿り着く。
ふと、振り返ると、遠くに、東雲2丁目計画の更地。
あの高層住宅の計画は、赤信号になるまでに、間に合うのだろうか。
それに、そもそも、なんで、歩道橋がないんだろう。
そんな風に考えると、なんとなく、まわりの荒涼とした風景の、理由が、わかったような気がした。
(2008年11月記)