山手線目黒駅(ドレッセ目黒インプレスタワー)

ドレッセ目黒インプレスタワー

大崎駅で山手線に乗る。
目黒駅で下車。
西側に出て、行人坂を下っていく。
やはり、体調がよくないのかも。妙に足が重い。
坂を下りきると、目黒川。太鼓橋を渡る。
ちょっと、西側に歩いたら、完全に道に迷ってしまった。
方向感覚は、いい方なので、道に迷う、なんて、まずないんだけど。
住宅地の中を彷徨した挙句、幅広な通りに出る。
こんなところに、こんな広い道、あったかな。
とにかく、その道を進んでみる。知っている通りに出れば、なんとか、場所の推測ができるだろう。
ただ、気になるのは、日没が近い、ということなのだが。だんだん、気持ちに余裕がなくなってきた。
歩いていくと、はたして、山手通りに行き当たる。
予想よりも、かなり、西側に来てしまったわけだ。このまま、歩いていけば、五反田か大崎だな。だけど、これでは、もとの場所に戻ってしまうではないか。
すぐに、東側へ。とにかく、目黒川沿いに戻らなければ。
そういえば、山手通りだったかな。意外と古そうなお店が並んでいたような気がした。
山手通りは、北の方から、どんどん、拡幅されていっているので、そのうち、それらの古い街並みも、消滅してしまうのかな。
そんなことを考えながら、彷徨っているので、新しい街並みと、消え行く古い街並みが、頭の中で、ぐるぐると交錯してくる。
ようやく、目黒川沿いへ辿り着き、川沿いに南へ歩く。
すぐに、東急目黒線の高架。高架をくぐったところに、妙に細い橋が架かっていた。
さっきの消え行く、古い街並みを思わせる橋だ。
そう気付くと、ぎょっとしてしまった。
さんざん歩き回った末に、最初と同じ場所に出てしまい、抜け出せない迷路にいることを、悟ったような、そんな感じだったからだ。
とにかく、その橋で、目黒川を渡る。
東急目黒線に沿って、上り坂になっている細い道が伸びているのだが、その道を歩いていく。
ちょっと、開けたようなところに出ると、ドレッセ目黒インプレスタワーがある。
竣工は、失われた10年の後、集積化の時代。
山手線からも、よく見える、高層住宅だ。
やっと辿り着いたわけだが、まわりには、誰もいない。寂寥感が漂うばかり。
この寂寥感、少し前に、大崎駅の高層ビル群を通ってきた時に感じた、寂寥感と、まったく、同じではないか。
またしても、同じ場所に戻ってしまった。そういう感じだ。
抜け出せない迷路。果てしもない彷徨。
なんか、本格的に体調がよくないのかな。
早く帰ろう。
(2008年11月記)