銀座線表参道駅(AOビル)

AOビル

元気になったのは、やっぱり、気のせい、だったらしい。
表参道に行くつもりだったのだが、何を勘違いしたものか、そのまま、明治通りを、南へ南へと歩いてしまう。
なんとなく、見たことがある街並みだなあ、と思っていたら、渋谷に来てしまった。
方向感覚が、まだ、戻っていないみたい。
青山通りに出て、北東へと向かう。
まだ、歩き回れるほど、風邪は治ってしないのだが、仕方ないな。ゆっくりでも、歩いていくしかない。
延々と歩いていくと、表参道の手前、青山通りの北側にAOビルがある。(工事中はこちら
さっきのビルも、妙だったが、この高層ビルも、かなり、個性的なデザインだな。
高層ビル、というと、巨大建築物であり、なんとなく、時代には、流されないような、堅固な雰囲気があるものだが。
でも、このようなビルだと、時代の流行そのもの、という感じがする。
つまり、流行が去れば、消滅してしまうのだ。
高層ビルが、消える、なんて、あり得ない、と思っていたのだが、最近は、そんなことはない。
だから、高層ビルも、使い捨て、ということを、前提にしているのかも。それなら、このような、ファッション性の強いビルも、考えられる。
それに、ひょっとして、何十年も経てば、昔を振り返る、レトロな建築物、ということになるかもしれないし。
でも、やはり、残らないだろうなあ。砂上の楼閣。こういうのを、そう呼ぶのかな。
まるで、街の賑やかさに絆されて、束の間、元気になった、自分の今の体調みたい。
風邪は、いつかは、治るんだろうけど。
時代の流れは、もう、押し留めようがないだろうな。
(2008年12月記)