埼京線大宮駅(大宮駅西口のものすごく古い建物)

大宮駅西口のものすごく古い建物

ザ・大宮タワーズの北側の細い道を西へ進み、さっき、歩いて来た、旧中山道に出る。
中山道を、北へ北へと歩いていく。
やがて、駅への、幅広なメインストリートへ。
このメインストリートから北側一帯は、旧市街、という感じだ。
なかでも、メインストリート沿いに、とてつもなく古そうなビルが建っていたので、思わず、カメラに撮ってしまった。
西側は、更地になっているので、もう、取壊されたのだろう。
たぶん、高度成長期の始まり頃の竣工だと思うのだが。
いつ頃、建ったのか、ちょっと、気になったので、礎石でもあれば、竣工年が、わかるだろうと思い、この古いビルの周りを歩いてみる。
ビルの北側は、もう、アーケードが天を覆う、飲食店街となっている。
昼なお暗いのだが、むしろ、ほっとする空間になっている。並んでいるお店も、新旧、混ざっているが、渋い雰囲気がするな。
以前、大宮を訪れたときは、本当に、地方の都市に来た、という気がしたものだが。今では、都心の郊外にすぎない。
だが、昔、感じた、地方都市、というのは、このアーケードの下の飲食店街には、残っているようだ。
地表にいるのに、地下街にいるみたい。しかも、路地が入り組んでいて、ラビリンス状態。一種の、隠れ家、になっているのかも。
だから、その中に、入ると、ほっとするんだな。
こういった場所は、再開発されて、更地になってしまうと、その、意外な、狭さに、驚かされてしまう。
いままで、とても、広く、深い、空間だと、思っていたのに。
そう考えると、空間、というものは、たんに、物理的なもの、ではなく、文化的な要素もあるものらしい。
地方都市がなくなり、ただの郊外になっていまうと、遠くに来た、という感じがしなくなるのも、そういうことかな。
だとすると、この旧市街、ラビリンス、ますます、残っていて欲しい、と思う。
やっぱり、テーマパークになってしまうのかもしれないけど。
(2009年2月記)