総武線錦糸町駅(水ぬるむ横十間川)

水ぬるむ横十間川

高田馬場駅から山手線で、新宿駅へ。
中央線に乗り換え、さらに、御茶ノ水駅で、総武線に乗り換える。
錦糸町駅で下車。南口に出る。
まだまだ、寒いけど、太陽の光が、もう、春だな。
冬の頃と違って、日差しに力強さが感じられるからだ。
ところで、今年の冬は、暖冬だったらしい。そうだったっけ、と、思ってしまう。
景気が、底冷え状態で、暖冬どころではないのだ。
現に、錦糸町駅前も、ポカポカするような、陽気なのに、なんとなく、賑やかさが、感じられない。
そんな、ちょっと沈んだ空気の漂う、駅前を南へ。幅広の京葉道路に出て、東へと歩いていく。
京葉道路も、いつもは、混んでいるような気がしたが、今日は、がらんとした、雰囲気がする。
どんどん、東へ歩いていくと、横十間川に架かる橋。
この川の名前に、「横」、と入っているところが、少し、違和感を感じさせしまう。
たぶん、普通、地図を開くと、北が上で、南が下になっていて、南北は、縦軸、となっているからだろう。
つまり、横十間川は、北から南へ流れているのに、名前は、「横」なのは、妙だ、という風に感じてしまうのだ。
さらに言えば、錦糸町駅の南には、東西に横たわる、竪(たて)川、なんていう、川があったりする。
要するに、川の名前が付けられた、江戸時代、地形に対する方角の考え方が、今とは、違った、ということなんだろうけど。
それはそれとして、横十間川に架かる橋で、なぜ、足を止めたのか、というと、水辺の風景を見て、季節を感じたかったからだ。太陽の光もそうだが、水のある、景色も、季節感を、よく表している、と自分では、思っている。
例えば、春になると、川の水の質感が、冬に比べて、柔らかくなり、ちょっと、膨らんで、見えはしないだろうか。
もう、春は、そこまで。
(2009年2月記)