東急東横線武蔵小杉駅(シティハウス武蔵小杉)

シティハウス武蔵小杉

高田馬場駅から、山手線。渋谷駅で、東急東横線に乗り換える。
やっと、春らしく、なってきたな。
桜は咲いたのだが、咲く前、あれほど、暖かかったのに、咲いた後は、帳尻を合わせるかのように、花冷えの天気が続いていた。
寒くて、桜の花も、長持ちする、なんて、言っているうちは、よかったが、花見どころではない、冬の寒さが、やってきたこともあったな。
でも、季節は争えない。やはり、日を重ねるごとに、春は、確実に、歩みを、続けているようだ。
今日は、特に、そういう感じがする。季節の変わり目、というやつかもしれない。
春らしくなった、窓外の光景を、ぼんやりと、眺めているうちに、いつしか、もう、多摩川の鉄橋。
と、そのとき、自分の近くにいた、一団の、熱に浮かされたような、おしゃべりが、耳に入ってくる。
一団の中の、花粉症らしき、その御仁、曰く、
花粉症なんて、自分は、無縁だと、思ってましたけどね。あれって、遅いか、早いかの、違いで、誰でも、なるそうですね。そう、コップに、水を入れていくのと、同じことなんですよ。水が、どんどん、溜まっていって、ついには、溢れ出す。これが、花粉症なんですよ。
自分も、なんか、春が来るたびに、年々、花粉症っぽく、なっている気がして、ちょっと、不安になってしまった。
電車は、武蔵小杉駅へ。ホームへ降りる時も、まだまだ、続く、おしゃべりの声。
今年の花粉は、すごいらしいですね。だから、あっちのコップも、こっちのコップも、みんな、溢れ出しますよ。
電車のドアは、閉まり、やっと、おしゃべりは、聞こえなくなる。
水面張力でもいいから、なんとか、自分のコップの水が、溢れないことを、祈るばかりだな。
高架の駅舎から、階段を降り、地上に降り立つ。
駅の東側に出て、そのまま、東へと歩いていく。
高層住宅の建設予定地の、更地が、大きく広がっているが、景気がよくない、ということで、どうやら、工事はストップしているみたい。
綱島街道を渡り、道路は、南側へと、曲がっていく。そのまま、道なりに、南へ。
しばらく歩いていくと、道路の東側に、シティハウス武蔵小杉。新しい、高層住宅だ。
この景気の悪い時期に、よく、建てたものだな。
もっとも、作っているときは、景気は、悪くなかったのだし。その当時は、こんな、景気になるなんて、思わなかったんだろうなあ。
(2009年4月記)