山手線東京駅(常盤橋から見た日本橋川と常磐橋)

常盤橋から見た日本橋川と常磐橋

さらに東へ歩き、日本橋川を、常盤橋で渡る。
北側には、古い方の、常磐橋
ここからの眺めも、また、東京駅近くとは、思えないほどの、古雅な、雰囲気だな。
それもそのはず、この先に見える常磐橋、というのは、明治時代初、完成しているのだ。ひょっとしたら、現存する橋の中では、最古の部類かもしれない。
さらに言うと、この橋の起源、遠く、九州熊本の、有名な、石橋にあるらしい。
明治の世の中になり、熊本の石橋の技術が、さっそく、東京の橋に、導入された、ということだ。
そんな歴史のある橋なのだが、今は、あまり、通る者も、いないみたい。
たぶん、今、渡っている、常磐橋や、さらに、北側に、新常磐橋、もあるので、特に、使われることもなく、忘れられて、いつの間にか、こんな、骨董品みたいな、古い橋になってしまったのかな。
それに、明治の時代、何もなかった、皇居の東側に、東京駅が開業し、丸の内のオフィス街が誕生。賑やかさが、そちらに、すっかり、移ってしまった、ということもあるだろう。
だから、このあたりは、場末、という雰囲気すら、してしまうのだ。
だが、将来、まわりに、高層ビルが建ち並び、もし、一帯が、歴史テーマパーク、ということになれば、この古びた橋が、主役になることは、間違いない。
なにせ、明治時代の初めから残る、最古の橋なのだから。
その時が来るまで、ゆっくりと、眠っている、というわけかな。
ならば、こちらも、この古い橋が、目を覚まさないように、そっと立ち去るほかない。
(2009年4月記)