副都心線東新宿駅(鬼王神社)

鬼王神社

職安通りを、さらに、西へ進む。
すぐに、南に伸びる区役所通り。
区役所通りに入って、南へ向かう。
通りの東側には、鬼王神社。
まわりの、喧騒の巷の中、そこだけは、森閑とした、静寂の空間を、作り出してる。
謂れについては、よく、わからない。
たぶん、江戸時代、熊野から、やって来た、というのは、本当なのだろう。
西新宿高層ビル街の西側にある、熊野神社も、江戸時代の少し前に、熊野からやってきたわけだし。さらに言えば、江戸時代、熊野詣、というのは、かなり、盛んだったらしいし。
だから、熊野からやって来た、としても、それほど、特別なことではないはずだ。
ただ、やって来た先の、熊野の鬼王権現、というのは、どういう、存在だったのか、今となっては、さっぱり、わからない。
なぜなら、現在、熊野の地には、鬼王権現は、もう、なくなっているからだ。
もっとも、どこからやって来たか、ということは、どうでもいいほどに、この新宿の地に、すっかり、根付いているようには、思えるけど。
鬼子母神、のようなもの、なのかもしれない。
例えば、ここでは、節分のときの掛け声が、「福は内、鬼は外」、ではなくて、「福は内、鬼は内」、らしい。
なんとなく、鬼は、排除しない、という感じがする。
ひょっとしたら、怪しげな歌舞伎町も、異文化のコリアタウンも、「鬼は内」の、賜物なのかな。
一見すると、鬼王神社の境内は、場違いな静寂の空間、に見えるけど。
実は、この地に、なくてはならない、存在、なのかもしれない。
(2009年5月記)