都営大江戸線都庁前駅(十二社天然温泉)

十二社天然温泉

公園通りを、再び、南へと歩く。
しばらく進むと、ふれあい通りとの交差点。
ふれあい通りに入り、西へ。
この通りは、新宿中央公園を横切っているので、その向こうへ出られる。
坂を上って行くと、南北に伸びる、十二社通り
ふれあい通りも、実は、ここで、行き止まり、となっているのだが。
その、ふれあい通りの突き当りには、十二社天然温泉がある。
なんで、こんなところに、温泉が、と不思議に思ってしまうけど。
たまたま、温泉が湧いたから、ということも、あるかもしれない。
ただ、十二社天然温泉の北側に、大きな池があって、一帯は、江戸時代からの、近場観光地だった、ということだ。
十二社天然温泉が、開業したのは、高度成長期の初め頃、とっくに、大きな池は、埋められていたはずだが、まだ、当時は、遊興地の雰囲気が残っていたのかもしれない。
ということで、昔の街並み写真集を、ぱらぱらと、眺めていたら、実際、十二社三業地、というのが、あった。(三業地とは、今の歌舞伎町みたいな場所かな)
なるほど、十二社天然温泉、というのは、その十二社三業地の一部、だったわけか。
そして、時代は、下り、歓楽街は、歌舞伎町へ、東側の、広大な浄水場は、西新宿高層ビル街となり、十二社三業地は、消滅。後には、十二社天然温泉だけが、取り残されたのかな。
だから、この場所が、かつて、遊興地だったことを、物語る、唯一の名残りが、十二社天然温泉、ということになる。
そういう意味では、一種の歴史テーマパーク、でもあるのだ。
と、思ったら、最近、十二社天然温泉は、廃業してしまったらしい。
スーパー銭湯やら、健康ランドやら、岩盤浴やら、巷では、流行っているのに、残念だな。
取り残されて、そして、やはり、消えてしまうわけか。
時代の流れなので、仕方のないことだ。
(2009年5月記)