都営大江戸線都庁前駅(新宿中央公園ジャブジャブ池)

新宿中央公園ジャブジャブ池

十二社通りを南へ歩く。
東側には、新宿中央公園が広がっている。
ちょっと、入ってみると、ジャブジャブ池なる場所。
池、なのだが、別に、水があるわけでもなさそうだ。ただの窪地みたい。
ひょっとしたら、かつての、十二社の、大きな池を模したものかと、期待したのだが、当てが外れてしまった。
少し高台にあるので、巨大な池を作るのは、無理なんだろうな。
それに、この公園に池が必要かな、とも思ってしまう。
だが、そもそも、大きな池があるから、十二社は、賑やかな、遊興地になったのだ。
ということで、形ばかり、ジャブジャブ池、というのを、作ってみたわけかな。
ところで、新宿中央公園ができたのは、広大な浄水場がなくなり、西新宿高層ビル街の工事が、いよいよ、始まろうとしていた時期だ。
だから、基本的には、西新宿高層ビル街とセット、なのだろう。
巨大なオフィスビルが建ち並ぶ一帯には、隣接して、広々とした、緑の公園が必要なのだ、とされたのかな。
つまり、オフィス街が、あまりにも、非日常的なので、そのような公園で、日常性を、回復させよう、ということかもしれない。
例えば、「ジャブジャブ池」、なんて、子供が、遊んでいるような感じで、実に、家庭的ではないか。
ここまで、考えてきて、昔、大きな池があった頃と、非日常、ということに関しては、ちょっと、違うことに、気が付いた。
昔は、風光明媚な景色と共に、非日常性を感じさせてくれる、遊興地が、あったのだ。
十二社三業地なんて、まったく、健康的ではない。
もちろん、あの頃は、一帯が、観光地だったわけで、現在のような、都会ではない。だから、比べようがないのだろうけど。
ただ、現在のように、健康的な演出をされてしまうと、それに、見合うだけの、不健康なものの存在が、どうしても、透けて見えてしまう。
そう考えると、やっぱり、ジャブジャブ池と、かつて、昔、あった、大きな池とは、根本的に、違うようだ。
(2009年5月記)