総武線錦糸町駅(錦糸町駅南口の昔ながらの街並み)

錦糸町駅南口の昔ながらの街並み

パークタワー錦糸町の南側には、江東橋公園がある。
きれいに整備された公園だ。
昔から、この公園、こんなに、きれいだったかな、と思ってしまうが。
公園の中を歩いていると、思い思い、おじさんたちが、くつろいだり、だべっていたりする。
公園は、きれいになっても、ここにいる、おじさんたちは、昔の錦糸町のままなのかもしれない。
その中の一人、小型のペットボトルの容器を、飲み口を下に、底の部分を、上にして、立て、底の部分に頭を載せて、気持ちよさそうに、寝入っていた。
寝相がいいのか、器用なのか、よくわからないけど。
カメラに収めようかと思ったが、たいてい、後で見ると、なんだろうこれは、ということになるので、撮るのはやめた。
この、おじさんを見ていたら、昔、浅草から、下町方面に向かうバスに乗ったときのことを思い出したな。
そのバス、えらい混みようで、もう、これ以上、乗れないだろう、と思ったのだが。
そこへ、小柄な、じいさんが、バスの入口の階段を、とんとん、と上がってきて、ひょいっと、座席と、バスの入口の、わずかな隙間に、飛び乗り、その部分に、器用にしゃがんで、収まってしまったのだ。
そのままバスは、当たり前のように、走り出し、やがて、その、じいさんは、目的のバス停で、いつもの通り、という感じで、降りていった。
ペットボトルを、枕代わりにしている、器用なおじさんと、器用つながり、という連想だけなんだけど。
ちょっと、大袈裟だが、今の世の中の枠に、収まっていないような、感じがしたので、思い出してしまったのかな。
ただ、さっき見てきたように、錦糸町がきれいな街に変貌していくとすると、たぶん、このような、おじさんたちの、次の世代は、もう、垢抜けた住民かもしれない。
そんな垢抜けた住民が、ペットボトルを、枕代わりにして、気持ちよさそうに寝ている、なんて、想像できないな。
ということで、江東橋公園の東側の、わずかに残っている、昔ながらの街並みを、昔気質の錦糸町のおじさんに代わって、写真に撮っておいた。
(2009年5月記)