山手線田町駅(夕凪橋袂付近の古い家)

夕凪橋袂付近の古い家

五色橋を渡りきり、さらに、北へと歩いていく。
西側にある運河は、いつしか、芝浦運河、という名前になっているらしい。
せっかく、運河が、たくさん、あるのだから、運河の名前の表示板ぐらい、あってもいいような気がするが。
実際、その他の運河は、なんという名前なのだろうか。よくわからないな。
たぶん、あまり、運河というものが、生活に密着していないからだろう。つまり、水郷のような、住環境ではない、ということかもしれない。
これだけ、運河があったとしても、汚い水辺ぐらいの認識なんだろうな。
風景としては、水郷らしいけど。
しばらく、北へと進んでいくと、その芝浦運河に架かる橋がある。
橋を渡った先の西岸には、芝浦アイランド
このコース、芝浦アイランドが、まだ、着工していない頃から、よく、通った。
その頃は、道路の両脇には、建物があるものの、その他は、鬱蒼と木々が生い茂り、南の島のジャングルみたいに見えたな。
今では、見違えるように、きれいになってしまったが。
もちろん、ジャングルだった、といっても、昔から、そうだったわけではなく、高度成長期の終わりとともに、寂れ、放棄されて、ジャングルになっていたのだけど。
さらに、西へと、歩くと、今度は、夕凪橋。
夕凪橋で再び、運河を越える。
この橋の袂には、芝浦アイランドがジャングルだった頃の、さらに、前、高度成長期、まだ、一帯が、賑やかだった時代からの、ささやかな、商店が並んでいる、はずなのだが。なくなっているではないか。
高度成長期が終わって、一帯が、寂れ果てた後も、なんとか、細々と、永らえてきた、お店なのに。
そして、ウォーターフロント再開発、ということで、巨大な高層住宅が、次々と建っていき、ようやく、再び、街が活気付いてきた、というのに。
実は、どこも、たいてい、こんな風に、消えてしまうものなんだけど。
おそらく、昭和の歴史テーマパーク、とでもしないかぎり、残らないのだろうな。
(2009年5月記)