田園都市線池尻大橋駅(東山貝塚公園)

東山貝塚公園

池尻大橋駅前商店街から、西へ。住宅地の中に入っていく。
しばらく、歩いていくと、どこにでも、ありそうな、公園に、辿り着く。
ただ、他の公園と、ちょっと、違うところがある。
園内に、なにやら、縄文時代の竪穴式住居を、模したような、オブジェが、設置されているのだ。
公園の名前も、そういうことで、東山貝塚公園、という。
貝塚では、有名なところらしい。
一帯からは、貝塚、だけではなく、縄文時代弥生時代の、いろいろな遺跡が、出土するそうだ。
太古の昔から、この場所には、生活の営みが、あったのだろう。
だが、それほど、資料的に、貴重な、土地でありながら、仰々しい、博物館や、記念碑のようなものなどは、まったく、見当たらない。
もっとも、そういう施設があれば、むしろ、月並みな、興味しか抱かなかったし、こうして、わざわざ、訪れることも、なかったわけだが。
かえって、こんな風な、ちゃちな、オブジェの方が、なんとなく、ほのぼのとして、好感が持てる。
たぶん、観光地然としていないのは、一帯が、住宅地になっているからだろう。
とすると、この場所には、縄文時代弥生時代、そして、今に、到るまで、連綿と、生活、暮らしが、継続している、ということになる。
どこかで、それが、途絶えれば、そこに、博物館も建つし、記念碑も、モニュメントも、建つわけだ。
でも、もし、そうなったとしたら、それは、寂しいことだけど。
なるほど、だから、この小さな、貝塚公園に、暖かみがあるのかな。
そして、本来、拠って立つべきは、そのような暖かみ、ほのぼのとしたもの、なのかもしれない。
なにせ、縄文時代から、弥生時代、現在、さらに、ずっと、ずっと、この先も、連綿と、続くのだから。
(2009年5月記)