銀座線赤坂見附駅(弁慶濠)

弁慶濠

一ツ木通りを、さらに、北へ北へと、歩いていくと、東西に伸びる、大通り、246号線に行き当たる。
都心と、神奈川県を結ぶ、大動脈だ。途中に、田園都市もある。
江戸時代は、矢倉沢往還、あるいは、大山街道、という名前だったらしい。
それ以前は、主要幹線道はあっても、渋谷あたりまでで、渋谷からは、北へ向きを変え、新宿から、池袋という風になっていた。
つまり、そのまま、東へ東へと、街道が伸びたとしても、大河や、湿地帯があったので、とても、その先への延伸、という発想は、なかったのだろう。
それが、ひょっとして、可能ではないか、と思われるようになったのは、江戸時代の前、戦国時代の北条氏全盛の頃かもしれない。今となっては、わからないけど。
そんな、かつての、大山街道、246号線に入り、東へ。
道路は、溜池の低地に向かって、下り坂となっている。
降りきったところに、赤坂見附の交差点。
「見附」とは、見張り所のことなのだが、こんな、窪地に、見張り所が、あったわけもなく、妙な感じだ。
なぜ、この交差点に、そのような名前が、付いているか、所以があるのだろうけど。
赤坂見附交差点から、北へ。
すぐに、弁慶濠に架かる、弁慶橋。
弁慶濠は、江戸城の外堀の一環をなす、人工の池だ。
岸辺には、木々が鬱蒼と生い茂り、水面にまで、迫り出している。なかなか、森厳な雰囲気。
さらに、ボート場もあって、水遊びもできる。
たぶん、江戸時代、赤坂見附交差点あたりから、南側、虎ノ門あたりまで、細長く広がっていた、溜池は、今の弁慶濠のような、感じだったと思う。
ずいぶんと、風光明媚な、場所だったのだろうな。
今となっては、もう、昔のことだが。
(2009年6月記)