山手線新橋駅(新築中の日比谷神社)

新築中の日比谷神社

烏森神社から西へ。
すぐに、新橋駅の西口の広場に出る。
こうして見ると、本当に、烏森神社は、新橋の街に溶け込んでいるのだと、実感してしまうな。
ところで、このような、烏森神社、所以は、どのようなものだろう。
延喜式には、載っていないので、それほどの古社ではないにしても、相応に、歴史のある神社ではあるらしい。
ただ、「烏森」、という名前は、どういう意味か、実は、さっぱり、わからないのだ。
一帯は、昔、海辺だったわけで、森があったとは、到底、思えないし。
ちなみに、烏森神社と同じように、都心には、「森」が付く神社が、いくつかある。
例えば、鳩森神社、椙森(杉森)神社、柳森神社、等々。
これらの神社も、同じく、森とは、あまり、関係なさそうに思える。
ひょっとしたら、「森(もり)」は、本来は、「守(もり)」、なのかもしれない。
なにか、入植地、のような、イメージが湧き上がるのだが。
だとすると、「烏(からす)」、というのは、どうなるのだろう。これも、まったく、わからない。
こんな風に、考えを巡らせながら、山手線の高架に沿って、南へと、歩いていく。
幅広の、交通量の多い、第一京浜に出る。
その第一京浜の東側に、新しく建造中の、日比谷神社が、現れる。
「日比谷」とあるのは、もともと、日比谷にあったからだが。
この「日比谷」、というのも、よくわからない。
もちろん、海辺に、谷が、あるわけもない、というのは、わかるけど。
たしか、こういうことらしい。
日比谷の「ひび」は、海苔の養殖に使う、浅海に、何本も突き立てた、竹や細い枝のこと。だから、「ひびや(日比谷)」は、「ひび家」、「ひび屋」、から、というわけだ。
なんとなく、海苔養殖産業の前線基地、を思い浮かべてしまう。
でも、海苔の養殖が、始まったのは、たしか、江戸時代から、のはず。
江戸時代の前から、日比谷、あるいは、日々谷、という、地名は、ある。
そもそも、海苔の養殖に使う、竹や細い枝を、なんで、「ひび」、と呼ぶのだろう。
都心の真ん中でも、わからないことだらけだな。
(2009年6月記)